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新薬23製品が薬価収載へ 再審議の乾癬治療薬トルツも

公開日時 2016/11/10 03:52

厚労省の中医協・総会は11月9日、新薬23製品(23成分35品目)を薬価収載することを決めた。同省は11月18日収載予定。8月の総会で同種・同効薬より算定薬価が高価であることに疑義が出され、日本イーライリリーが収載申請を一旦取り下げていた乾癬治療薬トルツを再審議し、一日薬価を比較薬並みにし、前回の算定薬価より約10万円低い薬価で収載されることになった。

収載される製品は以下のとおり(カッコ内は成分名と薬価収載希望会社)

エビリファイ錠1mg(アリピプラゾール、大塚製薬)
薬効分類:117 精神神経用剤(内服薬)
効能・効果:「統合失調症」「双極性障害における躁症状の改善」「うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)」「小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性」
薬価:1mg1錠31.30円
市場予測(ピーク時7年後):投与患者数5.7千人、販売金額5.4千万円
小児加算(A=5%):加算理由「小児を対象に国内で臨床試験が実施されており、小児に係る効能及び効果が明示的に含まれていること、比較薬は小児加算を受けていないことから加算の要件に該当。加算率は、小児適応を有する既収載の類薬があること等から、5%が妥当と判断」

今回の1mg錠は、既存効能に使えるほか、今回の追加効能となる「小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性」の開始用量が1日1mg、維持用量が1日1~15mgのため、規格追加したもの。追加効能は、2011年に日本小児心身医学会、日本小児精神神経学会、日本小児神経学会の3学会より開発要望が出され、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を経て開発要請された。

ミカトリオ配合錠(テルミサルタン/アムロジピンベシル酸塩/ヒドロクロロチアジド、日本ベーリンガーインゲルハイム)
薬効分類:214 血圧下降剤(内用薬)
効能・効果:「高血圧症」
薬価:1錠174.80円
市場予測(ピーク時5年後):投与患者数3.8万人、販売金額22億円
加算なし

14日の処方日数制限は適用されない。テルミサルタン80mg/アムロジピン5mg/ヒドロクロロチアジド12.5mgを配合したもので、降圧3成分の配合剤は国内初。1日1回1錠投与。これまでのテルミサルタン製剤と同様、日本ベーリンガーインゲルハイムとアステラス製薬が共同販促する。

ジャクスタピッドカプセル5mg、同10mg、同20mg(ロミタピドメシル酸塩、AEGERION PHARMACEUTICALS)
薬効分類:218 高脂血症用剤(内用薬)
効能・効果:「ホモ接合体家族性高コレステロール血症」
薬価:
5mg1カプセル 7万9684.80円
10mg1カプセル 9万1128円
20mg1カプセル 10万3739.80円
(原価計算方式で算定)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数177人、販売金額51億円
平均的な営業利益率(14.6%)×120%=17.5% 加算理由:「本剤は、MTPを阻害することでVLDL及びカイロミクロンの形成を阻害し、LDLコレステロールを低下させる新規作用機序医薬品であり、既存薬では効果不十分な患者においてもLDLコレステロールの低下効果が期待できる。加えて、本剤は希少疾病用医薬品に指定され、対象疾患は指定難病に指定されていることから、平均的な営業利益率の+20%を適用することが妥当」

希少疾病用医薬品。経口薬物治療で効果不十分な場合に追加投与する。1日1回夕食後に2時間以上あけて5mgの経口投与から開始する。忍容性に問題なく、効果不十分な場合は2週間以上の間隔をあけて10mgに増量する。さらに増量が必要な場合は、4週間以上の間隔で忍容性を確認しながら段階的に20mg、40mgに増量できる。なお、同剤は、脂溶性栄養素の吸収不良になることから、脂溶性ビタミン、必須脂肪酸の補充が必要とされる。

ウプトラビ錠0.2mg、同0.4mg(セレキシパグ、日本新薬)
薬効分類:219 その他の循環器官用薬(内用薬)
効能・効果:「肺動脈性高血圧症」
薬価:
0.2mg1錠 1407.90円
0.4mg1錠 2815.80円
市場予測(ピーク時8年後):投与患者数3.0千人、販売金額102億円
加算なし

希少疾病用医薬品。プロスタグランジンI2(PGI2)受容体作動薬で、既存のPGI2製剤と同様に血管拡張作用と抗血小板凝集作用を示すことで肺動脈性肺高血圧症(PAH)の病態を改善する。日本新薬とアクテリオンジャパンが共同販促する。なお、薬価算定にあたっては、同剤の国内長期投与試験での平均投与量に基づく1日薬価を合わせた。1日薬価は1万4594円となる。

ゼンタコートカプセル3mg(ブデソニド、ゼリア新薬)
薬効分類:239 その他の消化器官用薬(内用薬)
効能・効果:「軽度から中等度の活動期クローン病」
薬価:3mg1カプセル 256.90円(原価計算方式で算定)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数1.5万人、販売金額11億円
加算なし

有効成分のブデソニドは以前からあるステロイド剤。腸溶性徐放顆粒を充填したカプセル剤で、小腸、結腸近位部で薬剤が放出されるように設計されている。9mgを1日1回朝に経口投与。欧米の治療ガイドラインでは今回追加する適応症については標準的薬剤。そのため厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を経て開発要請された。

リアルダ錠1200mg(メサラジン、持田製薬)
薬効分類:239 その他の消化器官用薬(内用薬)
効能・効果:「潰瘍性大腸炎(重症を除く)」
薬価:1錠212.00円
市場予測(ピーク時6年後):投与患者数4.8万人、販売金額56億円
加算なし

有効成分のメサラジンは小腸で多くが吸収され、潰瘍性大腸炎の病変部位である大腸への到達量が少ないとの課題がある。同錠は徐放化された素錠を腸溶性フィルムコーティングした錠剤で、メサラジンを大腸に送達するとともに、持続的にメサラジンが放出されるように設計したもの。1日1回2400mgを食後経口投与で用いる(1日薬価は424.00円)。

ブリリンタ錠60mg、同90mg(チカグレロル、アストラゼネカ)
薬効分類:339 その他の血液・体液用薬(内用薬)
60mg錠の効能・効果:
「以下のリスク因子を1つ以上有する陳旧性心筋梗塞のうち、アテローム血栓症の発現リスクが特に高い場合
・65歳以上
・薬物療法を必要とする糖尿病
・2回以上の心筋梗塞の既往
・血管造影で確認された多枝病変を有する冠動脈疾患
・末期でない慢性腎機能障害
90mg錠の効能・効果:
「経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)(ただし、アスピリンを含む抗血小板剤2剤併用療法が適切である場合で、かつ、アスピリンと併用する他の抗血小板薬の投与が困難な場合に限る)」
薬価:
60mg1錠 100.70円
90mg1錠 141.40円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数3.2万人、販売金額18億円
加算なし

リスク因子のある陳旧性心筋梗塞のうちアテローム血栓症の発現リスクが高い場合の用法・用用量は、1回60mgを1日2回。PCIが適用される急性冠症候群では、初回用量180mg、2回目以降の維持用量90mgを1日2回。

イニシンク配合錠(アログリプチン安息香酸塩/メトホルミン塩酸塩、武田薬品)
薬効分類:396 糖尿病用剤(内用薬)
効能・効果:「2型糖尿病(ただし、アログリプチン安息香酸塩及びメトホルミン塩酸塩の併用が適切と判断される場合に限る)」
薬価:1錠 174.20円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数22万人、販売金額137億円
加算なし

DPP-4阻害薬ネシーナの配合剤。アログリプチン25mgとメトホルミン500mgを含有する。1日1回1錠を食直前または食後に経口投与して用いる。1日薬価は174.20円。なお、イニシンク配合錠に対応する先発医薬品単剤2剤(ネシーナ錠25mg、メトグルコ錠250mg2錠)の合計1日薬価は194.00円となる。

カーバグル分散錠200mg(カルグルミン酸、ポーラファルマ)
薬効分類:399 他に分類されない代謝性医薬品(内用薬)
効能・効果:「N-アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症、イソ吉草酸血症、メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症による高アンモニア血症」
薬価:200mg1錠 1万6295.10円(原価計算方式)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数20人、販売金額1.5億円
平均的な営業利益率(14.6%)×130%=19.0% 加算理由:「本剤は、新規作用機序であるカルバモイルリン酸合成酵素Ⅰ活性化作用を有する薬剤で、先天性代謝異常症による致死的な高アンモニア血症に対して血中アンモニア濃度の低下を示していること、希少疾病用医薬品に指定されていること、及び対象疾患に対して治療手段を提供する初めての医薬品であることから、平均的な営業利益率の+30%とすることが妥当」

希少疾病用医薬品。この疾患は遺伝子の変異で起こる。厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を経て開発要請された。国内患者数はイソ吉草酸血症が3人、メチルマロン酸血症が62人、プロピオン酸血症が30人で、N-アセチルグルタミン酸合成酵素(NAGS)欠損症は報告されていない。

アイクルシグ錠15mg(ポナチニブ塩酸塩、大塚製薬)
薬効分類:429 その他の腫瘍用薬(内用薬)
効能・効果:「前治療薬に抵抗性または不耐容の慢性骨髄性白血病」「再発又は難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病」
薬価:15mg1錠 6318.30円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数780人、販売金額29億円
加算なし

希少疾病用医薬品。45mgを1日1回投与して用いる(1日薬価:1万8954.90円)。BCR-ABLを阻害することで白血病細胞の増殖を抑えるとされる。また、ダサチニブ、ニロチニブなどに対し抵抗性を示すBCR-ABL等の点突然変異を有するBCR-ABLに対して阻害作用を示すことなどから、既存薬に対し抵抗性を示すケースへの有効性が期待されるという。

デザレックス錠5mg(デスロラタジン、MSD)
薬効分類:449 その他のアレルギー用薬(内用薬)
効能・効果:「アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒」
薬価:1錠 69.40
市場予測(ピーク時4年後):投与患者数298万人、販売金額119億円
加算なし

第二世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬。12歳以上の小児及び成人に1回5mgを1日1回、経口投与。MSDは販売・販促せず、杏林製薬が単独販売する。杏林は皮膚科領域について科研製薬と共同販促する。

<訂正>(11月21日)
下線部を訂正しました。

ビラノア錠20mg(ビラスチン、大鵬薬品)
薬効分類:449 その他のアレルギー用薬(内用薬)
効能・効果:「アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒」
薬価:1錠 79.70円
市場予測(ピーク時6年後):投与患者数294万人、販売金額195億円
加算なし

第二世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬。成人に1回20mgを1日1回、空腹時に経口投与。大鵬薬品とMeiji Seikaファルマが共同販売する。

リフキシマ錠200mg(リファキシミン、あすか製薬)
薬効分類:619 その他の抗生物質製剤(複合抗生物質製剤を含む)(内用薬)
効能・効果:「肝性脳症に伴う高アンモニア血症の改善」
薬価:1錠 201.90円(原価計算方式で算定)
市場予測(ピーク時2年後):投与患者数1.2万人、販売金額12億円
加算なし

リファマイシン系抗菌薬に分類され、同系統の抗菌薬には結核に用いるリファンピシン(一般名)がある。このため審議過程でリファンピシン耐性の結核菌が生じるリスクが指摘されたが、最終的には、外部専門家や結核関連学会の専門家から意見聴取し、リフキシマが非吸収性の薬剤で、他菌種からの耐性の伝搬も考えにくく、結核患者以外では耐性結核菌が生じる可能性は極めて低いとされた。

グラジナ錠50mg(グラゾプレビル水和物、MSD)
薬効分類:625 抗ウイルス剤(内用薬)
効能・効果:「セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」
薬価:1錠 9607.30円
市場予測(ピーク時2年後):投与患者数9.1千人、販売金額147億円
加算なし

100mgを1日1回経口投与(1日薬価:19,214.60円)、投与期間は12週間。今回収載されるエルレサと併用。グラジナはHCVの複製に関わるHCV NS3/4Aプロテアーゼを阻害し、HCVの増殖を抑制する。エレルサはHCVの複製に関わるHCV NS5Aを阻害し、HCVの増殖を抑制する。

エレルサ錠50mg(エルバスビル、MSD)
薬効分類:625 抗ウイルス剤(内用薬)
効能・効果:「セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」
薬価:1錠 2万6900.50円
市場予測(ピーク時2年後):投与患者数9.1千人、販売金額206億円
加算なし

50mgを1日1回経口投与、投与期間は12週間。今回収載されるグラジナと併用。グラジナはHCVの複製に関わるHCV NS3/4Aプロテアーゼを阻害し、HCVの増殖を抑制する。エレルサはHCVの複製に関わるHCV NS5Aを阻害し、HCVの増殖を抑制する。

シグニフォーLAR筋注用キット20mg、同40mg、同60mg(パシレオチドパモ酸塩、ノバルティスファーマ)
薬効分類:249 その他のホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)(注射薬)
効能・効果:「先端巨大症・下垂体性巨人症(外科的処置で効果が不十分又は施行が困難な場合)における成長ホルモン、IGF-I(ソマトメジン-C)分泌過剰状態及び諸症状の改善」
薬価:(溶解液付)
20㎎1キット 18万4876円
40㎎1キット 33万1728円
60㎎1キット 46万6987円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数128人、販売金額4.1億円
有用性加算(II)(A=5%):加算理由「薬物治療歴のない先端巨大症患者への本剤投与時の奏効率において、オクトレオチド酢酸塩に対する統計学的な有意差が検証されている点については一定程度の評価は可能であると考えられ、治療方法の改善が客観的に示されていると考えられる」

成長ホルモンの分泌を抑制するソマスタチンアナログ製剤。40mgを4週毎に3カ月間、臀部筋肉内に注射。その後は病態に応じて20mg、40mg、60mgを4週毎に投与する。

プリズバインド静注液2.5g(イダルシズマブ(遺伝子組換え)、日本ベーリンガーインゲルハイム)
薬効分類:339 その他の血液・体液用薬(注射薬)
効能・効果:「生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時、重大な出血が予想される緊急を要する手術又は処置の施行時におけるダビガトランの抗凝固作用の中和」
薬価:1瓶19万9924円(原価計算方式で算定)
市場予測(ピーク時5年後):投与患者数202人、販売金額8.1千万円
加算なし

トルツ皮下注80mgシリンジ、同皮下注80mgオートインジェクター(イキセキズマブ(遺伝子組換え)、日本イーライリリー)
薬効分類:399 他に分類されない代謝性医薬品(注射薬)
効能・効果:「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症」
薬価:
80㎎1mL1筒 14万6244円
80㎎1mL1キット 14万6244円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数6.5千人、販売金額108億円
加算なし

同剤は8月の総会で、同種・同効薬のコセンティクス(ノバルティスファーマ)などと比べ1日薬価が倍となったことから委員から疑義が出され、収載申請を日本イーライリリーが一旦取り下げていた。今回、外国薬価に大きな開きがある米国を除外し、1日薬価を比較薬(コセンティクス)並みとし、前回の算定薬価より9万9629円低い薬価となった。

炎症性サイトカインで、過剰な皮膚細胞の増殖と活性化に主要な役割を果たすヒトインターロイキン17A(IL-17A)に高い親和性を持って特異的に結合し、中和するヒトIgG4モノクローナル抗体。乾癬の標準療法である副腎皮質ステロイドなどの外用療法、光線療法、シクロスポリンなどを用いた全身療法など既存治療で効果不十分な中等症または重症の乾癬患者の治療選択肢のひとつとなる。鳥居薬品と共同で、皮膚疾患領域における情報提供活動を行う。

リクラスト点滴静注液5mg(ゾレドロン酸水和物、旭化成ファーマ)
薬効分類:399 他に分類されない代謝性医薬品(注射薬)
効能・効果:「骨粗鬆症」
薬価:5mg100mL1瓶 3万9485円(原価計算方式で算定)
市場予測(ピーク時6年後):投与患者数7.1万人、販売金額28億円
加算なし

1年に1回投与。5mgを15分以上かけて点滴静脈内投与して用いる。

エムプリシティ点滴静注用300mg、同400mg(エロツズマブ(遺伝子組換え)、ブリストル・マイヤーズスクイブ)
薬効分類:429 その他の腫瘍用薬(注射薬)
効能・効果:「再発又は難治性の多発性骨髄腫」
薬価:
300㎎1瓶 16万0696円
400㎎1瓶 20万9587円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数2.7千人、販売金額154億円
加算なし

レナリドミド、デキサメタゾンと併用する。ヒトCD319に対する免疫グロブリンG(IgG)1サブクラスのヒト化モノクローナル抗体。抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を誘導することなどによって、腫瘍の増殖を抑えるとされる。

イデルビオン静注用250、同500、同1000、同2000(アルブトレペノナコグアルファ(遺伝子組換え)、CSLベーリング)
薬効分類:634 血液製剤類 (注射薬)
効能・効果:「血液凝固第IX因子欠乏患者における出血傾向の抑制」
薬価:
250国際単位1瓶 8万7532円
500国際単位1瓶 17万3231円
1000国際単位1瓶 34万2833円
2000国際単位1瓶 67万8486円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数475人、販売金額97億円
加算なし

遺伝子組換えアルブミンと、遺伝子組換えFIX(血液凝固第IX因子)の融合タンパク質。既存の人血漿由来FIX製剤に比べて血漿中消失半減期を延長させ、投与頻度を減少させる。定期的に投与する場合は通常、体重1kgあたり35~50国際単位を7日に1回投与する。患者の状態に応じて体重1kgあたり75国際単位の14日に1回投与に変更することもできる。

ミケルナ配合点眼液(カルテオロール塩酸塩/ラタノプロスト、大塚製薬)
薬効分類:131 眼科用剤(外用薬)
効能・効果:「緑内障、高眼圧症」
薬価:729.20円
市場予測(ピーク時7年後):投与患者数12万人、販売金額30億円
加算なし

14日の処方日数制限は適用されない。β遮断薬のカルテオロール塩酸塩とプロスタグランジン誘導体(PG関連薬)のラタノプロストを含有する配合点眼液。1日1滴、1日1回点眼。カルテオロールは房水産生抑制作用、ラタノプロストはぶどう膜強膜流出経路からの房水流出促進作用により眼圧を下降させると考えられている。千寿製薬と共同販促する。

リグロス歯科用液キット600μg、同1200μg(トラフェルミン(遺伝子組換え)、科研製薬)
薬効分類:279 その他の歯科口腔用薬(外用薬)
効能・効果:「歯周炎による歯槽骨の欠損」
薬価:
600μg1キット 2万0670.90円
1200μg1キット2万7802.90円
(原価計算方式で算定)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数12万人、販売金額31億円
加算(平均的な営業利益率14.6%+10%):理由「歯周炎による歯槽骨の欠損に用いられる唯一の医薬品であり、新生歯槽骨の増加効果が示されていることから、対象疾病の治療方法の改善が示されたと考えられる。また、世界に先駆けて日本で初めて承認された。一方、本剤は、同じ有効成分を含有する別製剤が既に存在すること及び海外での開発は計画されていないこと考慮」

トラフェルミンは、表皮形成などを促す作用を持つヒト塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)製剤で、褥瘡や皮膚潰瘍に用いるフィブラストスプレーの主成分。リグロスは手術により歯肉を剥離し、歯根、歯槽骨を露出させて処置が必要な重度の歯周病に用いるもの。手術時に歯槽骨の欠損部に塗布し(単回使用)、縫合後に内部で歯周組織の欠損部にある幹細胞の増殖が促されることを通じて歯周組織の再生を促進すると考えられるという。

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