自維・社保協議体取りまとめへ調整大詰め 後期高齢者の窓口負担割合3割「見直しを行う」明記へ
公開日時 2026/07/01 04:53
自民党と日本維新の会の与党社会保障協議体による社会保障制度改革の取りまとめに向けた調整が大詰めを迎えている。焦点となっている後期高齢者の医療費窓口負担割合については、「原則3割となっている現役世代との負担の公平性の観点から見直しを行う」ことを明記する方向で調整が進められていることが6月30日、本誌取材で明らかになった。2026年度末までに改革工程表を策定する方針。中医協改革については、「製薬、医療機器及び卸等の産業界の位置づけを明確化する」ことを盛り込む考え。現在も水面下での調整が進められており、両党での調整を踏まえて、政府が7月にも策定する経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太方針2026)に反映させたい考え。
◎70歳以上の高齢者医療費の窓口負担 「原則3割の現役世代との公平性観点に見直し」
調整が進められている案では、「医療費窓口負担に関する年齢によらない真に公平な応能負担の実現」として、「年齢によらない真に公平な応能負担を実現するため、70歳以上の高齢者の医療費窓口負担割合について、原則3割となっている現役世代との負担の公平性の観点から見直しを行う」と明記した。「改革工程表を26年度末までに策定する」ことも盛り込んだ。
その際、「高齢者の就業率の上昇や健康寿命の延伸、医療費水準や受診状況の動向、高齢者に低所得が多いといった家計の状況等も踏まえ、必要な受診が確保されるよう適切な配慮措置を講じつつ、外来特例の在り方や、負担割合の区切りとなる所得の見直しや年齢の引上げなど窓口負担割合の見直しについて、現役世代の負担軽減の観点からの公費負担のあり方とともに総合的に検討を行い、その速やかな実現について26年度末までに結論を得る」と明記した。
◎中医協改革 「製薬、医療機器及び卸等の産業界の位置づけを明確化する」と明記
「病院機能の強化、創薬機能の強化、患者の声の反映及びデータに基づく制度設計を実現するための中央社会保険医療協議会の改革」については、「データに基づく客観的かつ合理的な診療報酬決定プロセスを確立するため、中央社会保険医療協議会の機能強化を図る」とし、具体的には、「日本社会の各種医療機能を適切に反映した形で、社会保険医療協議会法の規定について委員構成の見直しを含め法令上の位置づけについて検討し、製薬、医療機器及び卸等の産業界の位置づけを明確化する」ことを盛り込む方針。「患者の声の反映及びデータに基づく制度設計の観点から、情報分析体制の強化や、医療経済系学会からの直接的な技術評価提案を可能とする制度設計を検討する」ことも明記する。
◎社会保障負担率は「25年度比で上昇しないよう取り組む」 医療費負担の対GDP目標は“参照”
このほか、「保険財政健全化策推進(インフレ下での医療給付費の在り方と、現役世代の保険料負担抑制との整合性を図るための制度的対応)」の項目について、「経済・物価動向等に適切に対応し、安心して医療・介護・福祉サービスを受けられる体制を整備することとあわせて、医療・介護を中心とした社会保障制度改革を着実に実行することにより、現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことを目指す」と明記した。
そのうえで、「骨太方針 2025と同様、経済・物価動向等を踏まえ、的確な対応を行いつつ、これまでの歳出改革努力を継続し、2027年度の社会保障負担率が25年度と比較して上昇しないよう取り組む」とした。
また、「社会保障制度が果たす機能を損なわないよう配慮しつつ、社会保障負担率の目標の検討とあわせて、社会保障改革について26年度中に改革項目の具体化と工程の明確化を図り、順次実施する」と強調。「特に、高齢化や高度化等への対応が必要な医療給付費については、経済が成長し賃上げが継続する『強い経済』の構築に向けた取組を進める中で、診療報酬に経済・物価動向等を基本的に反映しつつも、医療給付費の対GDP比や雇用者報酬の伸びとの関係など参照し、医療費適正化計画の次期改定に向けて抜本的な見直しを行うことを含め、改革を継続する」ことを盛り込んだ。
自民と維新の与党社会保障協議体では協議が進められてきたが、6月25日の協議でも、高齢者医療費の窓口負担割合や医療費負担の対GDP比目標を巡って両党間で意見の隔たりが埋まらず、両党の社会保障制度調査会長に取りまとめを一任する形で議論を終えていた。