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塩崎厚労相 新薬創出加算は対象医薬品・企業要件見直し GE80%目標は2020年9月

公開日時 2017/05/24 03:52

塩崎恭久厚労相は5月23日に開かれた政府の経済財政諮問会議で、後発医薬品の数量シェア80%目標の達成時期について、2020年9月とすることを明言した。一方で、製薬業界がファーストプライオリティーに掲げる「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」について、対象品目と企業要件について見直す考えを提示した。昨年12月に4大臣合意した「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」に沿って、長期収載品依存モデルから脱却し、革新的新薬創出モデルへと産業構造転換を促す狙いが強く込められている。6月に閣議決定される経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)にこれらの主旨を盛り込む。後発医薬品の市場浸透や長期収載品の薬価引下げ、残薬や重複投与の是正などで医療費の効率化を進める一方で、新薬創出加算と費用対効果評価でイノベーションを評価する考えだ。

◎革新的新薬創出へ 新薬創出加算見直しで産業構造転換進める

塩崎厚労相は、安倍政権が成長産業の一つに位置付ける製薬産業の構造転換をうながす施策を骨太方針2017に明示する考えを示した。あわせて、「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」に明記された“医療の質の向上”と“国民負担の軽減”の実現に向けた薬価制度の再構築に着手する方針も明確に打ち出した。安倍首相はこの日の諮問会議で、「創薬イノベーションの促進を図りつつ、国民負担の軽減と医療の質向上の両立に向けて年内に結論を得られるよう議論を深めていただきたい」と述べ、18年度診療報酬改定を見据えて議論を深めることを求めた。今回示された改革項目は、いよいよ今秋から本格化する薬価制度の抜本改革論議に踏み出す決意を業界側にも発したとも受け取れる。

新薬創出加算については、①対象となる医薬品の範囲、②企業要件を見直す―ことを明確にした。あわせて、費用対効果評価については、「薬価引き上げを含め、真に有効な医薬品を適切に評価」することを盛り込んだ。評価のための新たな組織・体制整備も進める。この2つの制度を軸にイノベーションを評価。内資系、外資系問わず、国内市場への投資を加速させ、革新的新薬創出にアクセルを踏む考えだ。

国内の製薬産業は、依然として長期収載品比率が欧米に比べて高い現状にある。一方で、新薬創出加算の試行的導入後、ドラッグ・ラグの短縮、国内開発の大幅な増加など、一定の成果をあげてきた。

「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」では、“ゼロベースでの抜本的な見直し”が指摘され、財務省の財政制度等審議会では「廃止し、加算分は国民に還元すべき」とされた。しかし、この日の諮問会議では民間議員からも「明確な政策効果が上がるよう、革新性のある医薬品に対象を絞り込む」ことが提唱されるにとどまり、新薬創出加算の見直しを前提とした制度存続の可能性が強まった。

◎長期収載品モデルから脱却 長収品の薬価引下げ、GEの価格帯集約を検討

一方で、長期収載品依存モデルからの脱却を押し進めるために、長期収載品の薬価引下げ、後発医薬品の価格帯集約についても検討する考えを示した。後発医薬品の使用浸透については、使用率が最も低い徳島県(53.3%)が最も高い沖縄県(75.2%)まで浸透すると、40億円程度の財政効果があるとした。一方で、後発医薬品の使用浸透が進む中で、調剤報酬上のインセンティブである後発医薬品調剤体制加算を見直す考えも示した。

バイオシミラーについては、バイオ医薬品と共に研究開発支援方策の拡充することを明記し、2020年度末までに品目数倍増を目指すことを盛り込んだ。2015年時点でのバイオシミラーの財政効果は56億円、金額シェアは11億円だが、あわせて医療費適正化効果額、金額シェアも公表する。

◎菅官房長官 薬価の毎年改定断行を改めて強調

菅義偉官房長官はこの日の諮問会議で、改めて薬価の毎年改定に言及し、2年に1度の改定と中間年の薬価調査・薬価改定ではなく、「薬価改定は毎年行うということになっているはずだ」と述べた。昨年12月の薬価改革の基本方針を踏まえて、一部で毎年改定に慎重論を唱える議員や関係者の存在を牽制した。


◎調剤報酬 リフィル処方推進、敷地内薬局の評価見直し


この日の諮問会議で、塩崎厚労相は調剤報酬についても、抜本的な見直しを進める考えを示した。門前薬局に代表されるような、処方せん枚数に応じた評価を見直し、患者にとって付加価値のある業務へとシフトをうながす。

高齢化が進展し、複数の疾患を合併する患者が増加、処方日数も長くなる中で、残薬や重複投与、さらにはそれらが招く副作用の発見の遅れは社会的にも大きな課題となっている。こうした中で、薬剤師が副作用の早期発見や受診勧奨などの役割を担う必要性を指摘。長期投薬の安全性向上や医療費の適正化に向けて、病状が安定している患者についてリフィル処方の推進を検討することを明らかにした。

また、保険医療機関と保険薬局が同一敷地内にある、いわゆる“敷地内薬局(門内薬局)”については、評価を見直す方向性も示した。

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