AZと小野薬品 SGLT2阻害薬フォシーガ インスリン製剤との併用で添付文書改訂
公開日時 2017/09/20 03:50
アストラゼネカと小野薬品はこのほど、2型糖尿病治療に用いるSGLT2阻害薬フォシーガ錠5mg、同10mg(一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール)について、日本人患者を対象とするインスリン製剤との併用試験で安全性と有効性が確認されたことから、厚労省から添付文書の記載内容を改訂することが了承されたと発表した。添付文書内にあった「本剤とインスリン製剤との併用における有効性及び安全性は検討されていない」との記載を削除する。
日本で糖尿病が強く疑われる人は950万人おり、糖尿病で年間1万人以上が死亡しているとされる。また、インスリン製剤での治療下でも血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者は6割超と想定され、より良い血糖コントロールへのニーズは依然として存在する。
両社は、糖尿病治療の現状や今回の添付文書改訂を受け、「インスリン製剤で治療を受けていてもさらなる血糖コントロールを必要とする2型糖尿病患者さんに、インスリンとは独立の作用機序で腎臓に働きかけるフォシーガを投与することで、インスリン製剤の治療で認められることの多い体重増加のリスクを上げることなく血糖コントロールを改善するという治療オプションの有効性・安全性のデータを提供することが可能になった」としている。
フォシーガは、腎尿細管でのグルコース再吸収を制御するナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)に対する選択的かつ可逆的な阻害薬で、血液中の過剰なグルコースを尿とともに体外へ排出させ、血糖を低下させる薬剤。インスリンを介さずに空腹時血糖および食後高血糖を改善する。