ヤンセン 3成分配合の抗HIV薬を承認申請
公開日時 2018/05/25 03:50
ヤンセンファーマはこのほど、リルピビリン塩酸塩25mg、エムトリシタビン200mg、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩25mgの3成分を固定用量で配合した抗HIV薬を日本で承認申請したと発表した。申請日は5月22日付け。3成分はいずれも既承認のもので、1日1回1錠で内服できるよう設計した。
承認されれば、成人及び12歳以上の小児のHIV-1感染症治療薬となる。
リルピビリンは非核酸系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)で、HIV-1感染症治療薬として広く使われている。国内製品名「エジュラント錠」として販売中。エムトリシタビンとテノホビルアラフェナミドはともに核酸系逆転写酵素阻害剤(NRTI)で、2成分の併用はHIV-1 感染症の治療に広く使用されている。国内製品名「デシコビ配合錠」として販売されている。
同剤はギリアド・サイエンシズが創製し、ヤンセンはライセンス契約に基づき日本での独占的開発・商業化権を持つ。
HIV 感染症の標準治療は、複数の抗HIV薬を併用し、ウイルスの複製抑制、CD4陽性リンパ球数の増加および疾患進行の抑制を目指す抗レトロウイルス療法。日本の抗HIV 治療のガイドラインでは、抗HIV 治療未経験の患者に対する初回治療は、NRTI2剤に加えて、3つの薬剤クラス(インテグラーゼ阻害薬、NNRTI、プロテアーゼ阻害薬)から1つの抗HIV 薬を選択して併用する抗レトロウイルス療法が推奨されている。
新薬の登場とそれらの併用治療により、ウイルス複製の抑制が可能となり、HIV感染患者の生命予後は著しく改善された。しかし、現在でも薬物治療のみではHIV感染患者からウイルスを完全に排除することはできず、生涯治療を継続する必要がある。