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武田薬品 抗肥満薬オブリーン錠 未発売のまま導入元企業に返還 「薬価取得見込めず」

公開日時 2018/07/17 03:51

武田薬品は7月13日、肥満症治療薬オブリーン錠120mg(一般名:セチリスタット)の日本での開発・製造・販売権を導入元企業のオランダのノルジーン社に10月13日付で返却すると発表した。2013年に製造販売承認を取得したものの、その薬価収載を審議した同年の中医協総会で同剤の有効性や保険医療上の必要性が問われ、これまで収載保留となっていた。同社はホームページ上で「発売準備中」と案内しており、未発売のまま権利を返還することになる。

同社広報部は本誌取材に、「厚労省に対して再審議を今までお願いしてきた」と当局に薬価収載手続きを求めてきたと明かした。追加データを提出したかどうかは非開示。ただ、「現状のままでは薬価取得の見込みがなく、当社がこのままオブリーンを保有していても、患者さんにその価値を提供できない。このためノルジーン社に権利を返還することにした」と説明した。

ノルジーン社のPeter Stein最高経営責任者(CEO)は、武田がオブリーンの国内承認を取得したことに「感謝している」とした上で、「私たちは、日本におけるオブリーンの今後のあらゆるオプションを評価していきたい」とコメントした。

オブリーンは消化管やすい臓から分泌されるリパーゼを阻害することにより、脂質の吸収を抑制するリパーゼ阻害薬。食欲中枢には作用しないため精神症状への影響はないが、脂質吸収を抑制するため、下痢や脂肪便の副作用があるとされている。

承認されている効能・効果は、「肥満症(ただし、2型糖尿病及び脂質異常症を共に有し、食事療法・運動療法を行ってもBMIが25以上の場合に限る)」というもの。1日3回毎食直後に経口投与で用いる。

13年9月に承認された。しかし、同年11月の中医協総会で、肥満症を効能とするものの体重変化率は約2%であるうえ、心血管イベントの発症抑制が示されていないなど同剤の保険医療上の必要性について十分な説明がなされていないと指摘され、収載保留となった。薬剤の効果が問われる形での収載保留は異例だった。

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