塩野義製薬 デジタル治療用アプリ開発へ 小児のAD/HDと自閉症スペクトラムで
公開日時 2019/03/08 03:50
塩野義製薬は3月7日、小児AD/HDと自閉症スペクトラムの2種類のデジタル治療用アプリを開発すると発表した。小児AD/HD向けはスマホやタブレット端末でゲーム形式により脳の前頭前野を活性化するように設計されたもの。小児の自閉スペクトラム症向けは注意機能の改善を目指す。2種類のアプリは米Akili社が独自開発したもので、日本と台湾における独占的開発・販売権を獲得した。塩野義は2019年中に臨床試験を始める。
Akili社は、小児AD/HD向けアプリについては米FDAへ承認申請中。小児の自閉スペクトラム症向けアプリは開発中。深刻な不注意症状を有する患者を対象にフィージビリティ試験の実施を完了。患者の注意機能、両親からの報告による行動症状指標に与える影響を評価するなどし、より大規模な臨床試験を計画中という。
契約によりAkili社は、製造・データ管理・技術サポートを担う。塩野義は契約一時金2000万ドル、開発進展や製品上市後の販売額などに応じたマイルストンを最大で合計1億0500万ドル、製品上市後の販売額に応じたロイヤリティーを支払う。Akili社への出資も予定する。
今回の契約は2020年度以降の持続的な成長に向けて、開発候補品の充足や新規技術導入などに積極的に取り組むための「戦略的事業投資」の一環。