米FDA 産後うつ病治療薬Zulresso承認
公開日時 2019/03/27 03:50
米食品医薬品局(FDA)は3月19日、米Sage Therapeutics Inc社の産後うつ病治療薬Zulresso(ブレキサノロン)を承認した。適応は、成人女性における、産後うつ病(PPD)で、PPDを適応とした初のFDA承認薬剤となった。同剤は静脈注射剤で、合計60時間(2.5日)かけて持続的に投与する。FDAは同剤を優先審査および画期的新薬(BT)の指定していた。
同剤には、突然の意識喪失のリスクがある。そのため、服用後に過度の鎮静状態や意識喪失を監視し、継続的に酸素濃度計(オキシメトリー)を装着することを枠組み警告で喚起している。FDAは同剤について、副作用管理を義務付けるREMS(リスク評価緩和戦略)の対象とした。
Sage Therapeutics Inc社のJeff Jonas CEOは、Zulressoの承認に当たって、「PPDの治療法にとって前例をみない変化をもたらす精神保健上の重要な機会に居合わせることを誇りに思う」と述べたうえで、「我々は、Zulressoが女性の精神保健上の重要性並びにPPD診断/治療の重要性を強調する新たな論議を活発化させる触媒になると信じている」と同剤による今後のPPD治療の進展に期待感を寄せた。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)精神科製品部のTifanny Farcjione部長代理は、「PPDは、重症になると生命を脅かす重篤な疾患である」と指摘した。そのうえで、「PPD女性は、自分やこどもを傷つける考えを持つおそれがあり、母親と新生児の絆を障害するおそれもある」と述べ、同剤がPPD治療薬初の承認となったことを歓迎した。