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第一三共・中山会長が会見 AZ社とDS-8201で戦略提携 受領対価は総額7590億円

公開日時 2019/03/29 17:30

第一三共は3月29日、抗HER2抗体薬物複合体DS-8201(トラスツズマブ デルクステカン)について、英・アストラゼネカ社と共同開発・販売で、提携したと発表した。DS-8201は、HER2に対する抗体薬物複合体で、同社のオンコロジー領域で業績を牽引することが期待される。AZ社との連携で、開発スピードを速めることに加え、上市後の欧米での市場浸透が速まることが期待される。同社は最大で7590億円(69億ドル)のロイヤリティ収入を受ける。同社の中山讓治代表取締役会長兼CEOは同日の会見で、「提携を通じ、早期市場浸透を実現できると信じている」と述べた。なお、29日、第一三共の株価はストップ高水準となる前日比、700円(15.9%)高の5100円まで上昇した。

DS-8201は、HER2に対する抗体薬物複合体(ADC)。第一三共独自のADC技術を活用して創成された。薬物をがん細胞内に直接届けることで、高い有効性と薬物の全身曝露を抑えることによる副作用の低減が期待できる。中山会長は、DS-8201について、「当社にとっては一番有望視された製品で、最優先で開発を進めてきた」と説明した。同社はADCを活用した7プロダクトが進行中だが、最もフェーズが進んでおり、国内でも2020年度の申請を見込む。ADC技術を活用するうえでも、同剤の成功が同社の命運を握っている。

◎開発費用をAZ社と折半 日本以外は共同販促


AZ社とは、HER2を発現する乳がん、胃がん、肺がん、大腸がんを対象に単剤・併用療法の開発治験を実施する。開発費用は両社で折半する。日本では第一三共が単独販売し、AZ社にロイヤリティを支払う。一方で、日本を除く地域は共同販促を行い、損益を折半する。提携契約に伴って第一三共が受けとるロイヤリティ収入は最大69億ドル。内訳は契約一時金13.5億ドル(1485億円)、開発マイルストーンが最大38.0億ドル(4180億円)、販売マイルストーンが最大17.5億ドル(1925億円)。

◎中山会長「欧米での市場浸透の加速、中国の早期上市に期待」

提携の意義について中山会長は、「DS-8201の開発および商業化を加速することで、より早くより多くの患者に届けることができる」と強調した。AZ社とのシナジー効果で、欧米での市場浸透を加速できるほか、AZ社のプレゼンスの高い中国などでの早期の上市、市場浸透も期待できる。「提携による売り上げ拡大と契約一時金や各種マイルストーンの対価受領により、自社単独の場合より価値を増加できる」と説明した。

中山会長は、以前から複数社と交渉していたことを明かしたうえで、「DS-8201の適正な評価をしてくれた。共同で事業を行うことで開発面・販売面でプラス効果があり、かつ事業基盤の強化に資することから、最もふさわしい相手だと判断した」と話した。

◎グローバル市場でのがん事業体制 AZから「吸収したい」

今後オンコロジーのポートフォリオ拡充が見込まれるなかで、「グローバル市場でプレゼンスを確立し、自社のがん事業体制構築を加速できる」こともメリットに上げた。AZ社はがん市場で豊富な経験を有することから、「グローバルがん市場で、プレゼンスを確立し、事業体制を構築できる」と話した。83のがん領域開発プロジェクト(18年12月31日時点)を通じた豊富な経験を有するAZ社から、「実際の開発経験からKOLとの関係、メディカルの体制など様々な面で、吸収できることはすべて吸収したい」と中山会長。「がんの会社として確立された会社なので学ぶことは多くあると思うし、我々の骨肉にしていきたい」と意気込んだ。

さらに、同社はADC技術を活用した開発候補物質が複数パイプラインにあるなかで、開発計画の前倒しや、がん種・適応症の追加などを行うことも可能になる。今回の提携が「さらに成長する弾みになる」と強調。DS-82-1に集中投下してきたリソースを他のプロダクトにも割けるとして、「(DS-8201の)一本足打法からたくさんの足の打法になる大きな契機になると期待している」とも述べた。

なお、米国ではT-DM1既治療のHER2陽性乳がん患者を対象とした開発が進められている。同日申請時期を2020年から19年前半へと前倒しすることも発表された。

◎日本市場は「広角打法を継続」でがんの力をプラスに

同剤を中心としたオンコロジー領域のパイプライン拡充で、中期経営計画でも「がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業」を目指す。4月には、がん領域にシフトすべく、体制の見直しも発表されていた。

中山会長は、日本市場について「がんの力を高めると同時に、現在ある様々な製品のポートフォリオについて、最も効果のある体制を敷く。日本の医療事情により広角打法的な活動を継続しながら、がんの力をプラスしていく」と述べた。一方で、欧米ではがんに特化し、その他の領域は効率化を進める考えを示した。

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