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武田薬品・20年3月期見通し 最終損益3830億円の赤字 業績プラスへの道筋つける

公開日時 2019/05/15 03:52
武田薬品は5月14日、2020年3月期の連結売上高について57.4%増の3兆3000億円とする計画を発表した。ビジネスは好調だが、6兆2000億円を投じたアイルランド・シャイアー社の買収が影響し、連結最終損益(国際会計基準)は3830億円の赤字となる見込み。今期は3兆円超の企業規模を武器に、アカデミアやバイオベンチャーとのパートナーシップを加速させ、研究開発型企業としてのプレゼンスを高めるなど、投資を回収し、業績をプラスに転じる道筋をつける方針だ。なお、19年3月期決算における旧武田薬品の営業利益は対前年度比70.3%増の4118億円を確保した。クリストフ・ウェバー代表取締役社長CEOはこの日の記者会見で、「大変満足している。経営だけでなくたくさんのことをしなければいけなかったのに素晴らしい結果だ」と自信をみせた。

19年3月期の連結売上高は、対前年同期比18.5%増の2兆972億円。19年1月に買収したシャイアー社の売上も貢献したが、営業利益は15.2%減の2050億円の増収減益となった。

◎岩﨑プレジデント「アジルバ、タケキャブの市場浸透で成長を実現」

旧武田薬品の19年3月期の国内医療用医薬品売上高は、1.6%減(93億円減)の5710億円。2018年4月実施の薬価改定も影響したが、日本事業のトップを務める岩﨑真人・取締役ジャパンファーマ ビジネスユニットプレジデントは、「マイナス分はあるが、実際にはアジルバ、タケキャブのボリューム(処方量)でカバーし、成長を実現している」と説明した。実際、ARB・アジルバは10.6%増の708億円。抗潰瘍薬・タケキャブも、19.8%増の580億円と二桁の伸びを示した。高齢化の進展に伴い医療保険財政が厳しさを増すなかで、薬価引下げ圧力は「これから弱まることは当然ない」としたうえで、「その点も織り込んで、中長期の戦略を組んでいる。現在のところ、方針を変えるレベルではないとは考えている」と述べた。

シャイアー買収で巨額の投資を行う一方、武田薬品は大阪本社ビル売却や、ドライアイ治療薬の売却など、ノンコアビジネスの効率化も積極的に進めている。国内の営業・マーケティングについて岩﨑プレジデントは、「マーケティングについても、長期プランで組織の最適化を図ってきている。急速に何かをするのではなく、これからも同じ方針で動きながら考える」との見解を示した。

◎ウェバー社長「心配はしていない」

20年3月期は最終損益で赤字に転落する見通しだが、ウェバー社長は、「心配はしていない」と強気の姿勢を崩さない。後発品の市場浸透の影響を受ける一年となることは認めるが、それ以上に豊富なポートフォリオに自信をみせる。オンコロジーや消化器系疾患、希少疾患、ニューロサイエンスなどに絞り込み、集中的な投資を行ってきた。この成果は確実に出始めており、18年4月以降、15の新規候補物質がステージアップした。

◎積極的なパートナーシップでイノベーションを実現


同社が力を入れるのが、バイオベンチャーやアカデミアとのパートナーシップだ。過去4年間に全世界で200ものパートナーシップを締結した。

アンドリュー S・プランプ取締役リサーチ&デベロップメント プレジデントは、パートナーシップの重要性を強調する。「イノベーションのほとんどは、自社以外のところで発生する。一番効果的なのは買収ではなくパートナーシップだ」との考えを表明。武田薬品が強みを有していた低分子だけでなく、細胞治療や遺伝子治療などで、アカデミアやバイオベンチャーと積極的なパートナーシップを組む考えも示した。

【18年度連結業績 (前年同期比) 19年度予想(前年同期比)】

売上高 2兆972億2400万円(18.5%増) 3兆3000億円(57.4%増)
営業利益 2049億6900万円(15.2%減) 1930億円(―)
親会社帰属純利益 1091億2600万円(41.6%減) 3830億円(―)

【18年度のグローバル主要製品全世界売上高(前年同期実績) 19年度見込み 億円】

エンティビオ 2692(2014、33.7%増) 20~30%の増 
デクスラント 692(657、5.3%増) 10~20%の減
パントプラゾール 616(658、6.4%減) 10~20%の減
タケキャブ 582(485、20.1%増) 10~20%の増
Gattex/Revestive 128(―) 10~20%の増
ペンタサ/リアルダ/Mezavant 80(―) 20~30%の減
アミティーザ 330(338、2.5%減) 10~20%の減
エラプレース 151(―) ±10%以内
リプレガル 114(―) ±10%以内
ビプリブ 87(―) ±10%以内
Natpara 71(―) 20~30%の増
アドベイト 321(―) 10~20%の減
アディノベイト 107(―) 30%超の増
ファイバ 96(―) 10~20%の減
Hemofil/Immunate 55(―) ±10%以内
フィラジル 64(―) 30%超の減
Takhzyro 97(―) 30%超の増
Kalbitor 12(―) 10~20%の減
Cinryze 31(―) 30%超の減
免疫グロブリン 735(―) ±10%以内
アルブミン 200(―) 20~30%の増
ベルケイド  1279(1373、6.9%減) 30%超の減
リュープロレリン 1101(1081、1.9%増) ±10%以内
ニンラーロ  622(464、33.9%増) 20~30%の増
アドセトリス 429(385、11.4%増) 10~20%の増
アイクルシグ 287(231、24.1%増) 10~20%の増
アルンブリグ 52(28、84.0%増) 30%超の増
ベクティビックス 205(189、8.2%増) ±10%以内
バイバンス/ビバンセ 494(―) ±10%以内
トリンテリックス 576(484、19.0%増) 10~20%の増
Adderall XR 54(―)―
ロゼレム 191(168、14.0%増) 30%超の減
レミニール 167(161、3.2%増) ±10%以内
インチュニブ 13(―) 30%超の増
アジルバ 708(640、10.6%増) ±10%以内
ネシーナ 548(502、9.1%増) ±10%以内
ユーロリック 511(468、9.1%増) 30%超の減
コルクリス 300(403、25.4%減) 10~20%の減
エンブレル 352(371、5.2%減) 30%超の減
ロトリガ 309(285、8.3%増) ±10%以内

【18年度の国内主要製品売上高(前年同期実績)、億円】
アジルバ※ 708(640)10.6%増
タケキャブ※ 580(485)19.8%増
リュープリン(リュープロレリン) 398(412)3.4%減
エンブレル 352(371) 5.2%減
ロトリガ 309(285) 8.3%増
ネシーナ※ 280(266) 5.2%増
ベクティビックス 205(189) 8.2%増
レミニール 164(161) 1.6%増
カンデサルタン※ 132(164)19.5%減
アイファガン 124(111)11.9%増
※配合剤、パック製剤を含む
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