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薬食審・第一部会 新薬8製品の承認了承 塩野義のAD/HD治療薬の成人適応追加など

公開日時 2019/05/29 03:51
厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会は5月28日、新薬として8製品の承認の可否を審議し、いずれも承認することを了承した。この中には、塩野義製薬の小児AD/HD治療薬インチュニブ錠への成人適応追加などがある。6月中にも正式承認となる見込み。

【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
インチュニブ錠1mg、同3mg(グアンファシン塩酸塩、塩野義製薬):「注意欠陥/多動性障害(AD/HD)」を効能・効果とし、成人にも使えるようにする新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余(2025年3月29日)。

現在は18歳未満の小児期の適応のみ。今回、18歳以上の用法・用量も新たに定める。1日2mgより投与を開始し、1週間以上の間隔をあけて1mgずつ、1日4~6mgの維持用量まで増量する。海外では2018年3月現在、成人適応の承認はない。

ロナセンテープ20mg、同30mg、同40mg(ブロナンセリン、大日本住友製薬):「統合失調症」を効能・効果とする初めての貼付剤。新投与経路医薬品。再審査期間6年。

ロナセンは、同社が創製した経口の非定型抗精神病薬で、錠剤が承認されている。テープ剤は40mgを1 日1回貼付し、患者の状態に応じ最大80mgを1日1回貼付できる。24時間ごとに貼りかえる。同社によると、経口剤に比べ、食事の影響を受けにくく、食生活が不規則な患者や、経口服薬が困難な患者への投与を可能にする。海外での貼付剤の承認はない。

オンパットロ点滴静注2mg/mL(パチシランナトリウム、Alnylam Japan):「トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。

適応疾患は、トランスサイレチンタンパク由来の不溶性線維状タンパクの末梢神経や各種臓器への沈着により発症する。生存期間の中央値は診断後4.7年との報告もある。症状としては感覚消失、異常感覚などの全身性の感覚神経障害、運動神経障害、自律神経障害、心筋症などの臓器障害など。推定患者数は100人強。同剤は、RNA干渉によりトランスサイレチンタンパクの発現を抑える。海外では2018年8月に欧米で承認済。

ロミプレート皮下注250μg調製用(ロミプロスチム(遺伝子組換え)、協和発酵キリン):「既存治療で効果不十分な再生不良性貧血」を効能・効果に追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間は5年10か月。

同剤は、血小板産生を促す因子トロンボポエチン(TPO)受容体作動薬。2011年4月から指定難病の慢性特発性血小板減少性紫斑病の治療薬として販売している。今回追加する効能・効果に合わせ用法・用量も新たに定める。海外では、再生不良性貧血での承認はない。

ユルトミリス点滴静注300mg(ラブリズマブ(遺伝子組換え)、アレクシオンファーマ):「発作性夜間ヘモグロビン尿症」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。

適応疾患は、後天的な遺伝子の突然変異で、慢性的な血管内溶血(赤血球破壊)を引き起こす造血幹細胞疾患で、指定難病。難病情報センターによると、国内の患者数は約400人とみられている。 

ゾルトファイ配合注フレックスタッチ(インスリン デグルデク(遺伝子組換え)/リラグルチド(遺伝子組換え)、ノボ ノルディスクファーマ):「インスリン療法が適応となる2型糖尿病」を効能・効果とする新医療用配合剤。再審査期間4年。

持効型インスリンアナログのトレシーバ(インスリン デグルデク(IDeg))と、GLP-1受容体作動薬ビクトーザ(リラグルチド(Lira))を固定比率で配合した注射剤。IDeg1単位にLira0.036mgを固定比率で配合しており、IDeg1~50単位/Lira0.036~1.8mgの範囲で患者の状態に応じた用量調節ができる。
海外では19年3月時点で、欧米を含む58か国で承認されている。

ミニリンメルトOD錠25µg、同50µg(デスモプレシン酢酸塩水和物、フェリング・ファーマ):「男性における夜間多尿による夜間頻尿」を効能・効果とする新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品。再審査期間4年。

既存の60μg、120μg、240μg製剤は、尿浸透圧あるいは尿比重の低下に伴う夜尿症と、中枢性尿崩症を効能・効果とする。今回の適応追加に伴い25μgと50μgの規格を追加する。なお、25μg製剤、50μg製剤は既存の効能・効果には使えない。

夜間頻尿は、夜間の転倒リスクなどから高齢者で特に適切な治療が望まれている。既存の規格では低ナトリウム血症の発現リスクのために、65歳以上から同剤による治療の開始が推奨されていないことから、より低用量のOD錠が開発された。
海外では18年12月現在、39の国・地域で承認されている。

デファイテリオ静注200mg(デフィブロチドナトリウム、日本新薬):「肝類洞閉塞症候群(肝中心静脈閉塞症)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。

医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議を経て、厚労省が開発要請した品目。

この疾患は、血液がんなどの治療に実施される造血幹細胞移植の合併症として知られている。症状は、ビリルビン値の上昇、体重増加、肝腫大、腹水、黄疸などだが、重症の場合は多臓器不全により死亡率が80%に至る。
同疾患に適応のある既承認薬はなく、水分バランスの管理や血行動態の維持などの支持療法、トロンボモジュリン、メチルプレドニゾロン、ヘパリンなどが適応外使用されている。

海外では19年3月時点で肝中心静脈閉塞症の適応で35の国・地域で承認されている。

【報告品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

レパーサ皮下注140mgシリンジ、同140mgペン、同420mgオートミニドーザー(エボロクマブ(遺伝子組換え)、アステラス・アムジェン・バイオファーマ):現在の効能・効果は、家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症について、「心血管イベントの発現リスクが高く、HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分な場合に限る」となっているが、今回、副作用などで「HMG-CoA還元酵素阻害剤による治療が適さない」患者にも使えるようにする。新効能医薬品。再審査期間は残余(2024年1月21日まで)。

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