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GSK 経口腎性貧血薬ダプロデュスタットを国内申請 販売は協和キリン

公開日時 2019/08/22 03:51
グラクソ・スミスクライン(GSK)は8月21日、新規機序の経口腎性貧血治療薬ダプロデュスタットを日本で承認申請したと発表した。申請は同日付け。同剤は、現在の腎性貧血の標準治療である赤血球造血刺激因子(ESA)注射薬と異なり、経口投与が可能で、低温保管の必要性がない新たな治療選択肢として開発された。同社は世界に先駆けて、日本で初めて申請した。

承認取得後は、ESA注射薬ネスプを手掛ける協和キリンとの戦略的販売提携契約に基づき、流通・販売業務は協和キリンが行う。情報提供・収集活動は両社共同で行う。

ダプロデュスタットは低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素阻害薬と呼称される新クラスの薬剤で、「HIF-PHI」、「HIF-PH阻害薬」、「HIF安定化剤」とも呼ばれる。慢性腎臓病(CKD)患者では、赤血球産生を促すホルモンであるエリスロポエチンが十分に産生されないため、貧血がよくみられる。HIF-PHIは、低酸素(酸素欠乏)で生じる生理学的作用と同様に、骨髄での赤血球産生を促すことで、腎性貧血に効果をもたらす新しい作用機序の薬剤となる。

今回の申請は、主に国内で実施したフェーズ3試験の「良好な結果」に基づく。試験は、ESA注射薬での治療の有無にかかわらず、透析前の保存期および透析中の患者を対象にしたもの。

国内で実施された3つのフェーズ3試験は、▽ESA注射剤で治療中の血液透析患者271例を対象とした52週間のダプロデュスタットとダルベポエチンアルファ(遺伝子組換え)の比較試験▽CKDステージ3~5の保存期患者(ESA注射剤による治療の有無は問わない)299例を対象とした52週間のダプロデュスタットとエポエチンベータペゴル(遺伝子組換え)の比較試験▽ESA注射剤で治療されていない血液透析患者28例を対象とした24週間の試験(全例がダプロデュスタットを投与)――となる。

■保存期適応あるHIF-PHIとして1番手となる可能性も

HIF-PHIは開発競争が激しい。アステラス製薬が18年9月に透析期に対する治療薬としてロキサデュスタットを国内申請したことを皮切りに、田辺三菱製薬が保存期と透析期を対象に開発したバダデュスタットを19年7月に「このたび申請した」と発表した。

HIF-PHIとしてロキサデュスタットが1番手で登場し、GSKのダプロデュスタットはバダデュスタットと同時の2番手か3番手での登場となる可能性が高い。ただ、保存期の適応も持つHIF-PHIとしては、ダプロデュスタットはバダデュスタットとともに1番手となる可能性がある。なお、ロキサデュスタットの保存期の適応はP3段階にある。このほか、バイエル薬品と日本たばこ産業グループもHIF-PHIを開発している。
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