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地域医療で製薬企業に期待すること 若手医師は“地域情報”、50代以上は“教育・連携機会”

公開日時 2019/09/11 03:52
ヘルスケア領域の市場調査などを手掛けるインテージヘルスケアがこのほど、医師1万6000人が選ぶ「地域医療に貢献している製薬企業ランキング」をまとめ、武田薬品がトップとなった。トップ3は前年調査と同様、武田薬品が1位だったほか、2位が第一三共、3位が大塚製薬となった。地域医療について製薬企業に期待することは、医師の年代によって期待することが異なることも判明。若手医師は地域における他施設の動向や患者の情報を、50代以上の医師は医療者向け勉強会や医師会などとタイアップした研究会など“教育・連携の機会”を求める傾向がみられた。

文末の関連ファイルに、地域医療に貢献している製薬企業トップ10と、地域医療に関して製薬企業に期待することの資料を掲載しました(会員限定)。

調査は2019年2月に実施した。有効回答医師数は1万6115人で、内訳は20床以上の病院勤務医が1万2563人、19床以下の開業医が3552人。調査方法はWebアンケート調査。

「地域医療に対して貢献していると思う製薬企業」を複数回答可で聞いたところ、回答医師の15.7%が武田を挙げた。第一三共は15.2%の医師が挙げ、トップと僅差だった。前年調査では1ポイント超の差があった。大塚は12.2%の医師が推した。

4位以下は、4位がアステラス製薬(8.9%、前年調査4位)、5位がエーザイ(8.0%、6位)、6位がファイザー(7.8%、5位)、7位が塩野義製薬(7.6%、10位)、8位がツムラ(7.5%、10位圏外)、9位が田辺三菱製薬(7.4%、7位)、10位がMSD(6.8%、9位)――だった。

企業別のMRの総合評価ランキングと比べると、地域医療に貢献していると評価されたトップ10社の中でエーザイと塩野義を除く8社がMR総合評価ランキングでトップ10入りしていた。インテージヘルスケアは、「日々のMR活動も、地域医療への貢献の一環として医師に評価されている」とみている。

■地域医療で製薬企業 期待すること「ない」は15%にとどまる

「地域医療について製薬企業に期待すること」を聞いたところ、回答医師の37.9%が「医療従事者に向けた勉強会の実施」を求めた。次いで、「地域における他施設の動向に関する情報提供」(34.0%)、「医師会や他施設とタイアップした研究会の実施」(32.4%)となった。これら上位3つの期待する取り組みは、前年調査と変わらない。

今回調査では、医師の年代ごとに期待する取り組みを確認した。20代と30代で構成する若手医師(n=4087)が製薬企業に期待する取り組みは、トップが「地域における他施設の動向に関する情報」(37.9%)、次に「地域における患者の特徴に関する情報」(33.6%)となり、若手医師では“地域の情報”がキーワードとして浮かび上がった。ちなみに、この2つの項目に関して、50代以上のベテラン医師(50代がn=4599、60代以上がn=2540)は若手医師より5ポイント以上ニーズが低かった。

50代以上のベテラン医師が製薬企業に期待することは、トップが「医療従事者に向けた勉強会の実施」(50代40.1%、60代41.6%)で、2番手に「医師会や他施設とタイアップした研究会の実施」(同36.0%、38.2%)となった。“教育・連携の機会”がキーワードといえそうだ。このうち医師会などとのタイアップ研究会を求める若手医師は25.0%にとどまり、ベテラン医師との間で10ポイント以上の差がついた。

インテージヘルスケアでは、「若手医師は研究活動もあるためか、地域データを求める傾向にある一方で、医師の年代が上がるほど経営や連携に関する情報ニーズが高まるとも分析できる」としている。

なお、地域医療で製薬企業に期待することはないとの医師は15%ほどにとどまった。

■勉強会に“治療法など最新情報”“他施設とのタイアップ”の要素盛り込み満足度アップ

医師の深層心理に迫るため、「地域医療について製薬企業に期待すること」の回答から、項目間の関係性を分析した。

その結果、医師全体で最も回答割合が高かった「医療従事者に向けた勉強会の実施」は、「医師会や他施設とタイアップした研究会の実施」と「疾患領域における幅広い情報提供」の両方を期待する医師の79.6%が選択していることがわかった。つまり、医療従事者向け勉強会と、これら2項目とは強い結びつきがあるといえる。

インテージヘルスケアは、「例えば疾患疫学だけでなく、治療法などアップデートされていく情報の提供や、エリアの医師会・他の施設と連携して取り組み事例の共有などの内容を盛り込むことで、医師の満足度の高い勉強会になると考えられる」と分析している。

また、「医療従事者に向けた勉強会の実施」と「エビデンスに基づく薬剤の使用提案」を選択した医師の多くが、「疾患領域における幅広い情報提供」も選択していることもわかった。回答医師全体で「疾患領域における幅広い情報提供」を選んだ医師の割合よりも、「医療従事者に向けた――」と「エビデンスに基づく――」とともに「疾患領域における幅広い情報提供」を選んだ医師の割合は2.4倍多かった。医師の情報ニーズや深層心理を知ることで、刺さるコンテンツの企画に生かせそうだ。

インテージヘルスケアメディカル・ソリューション部の室伏俊昭シニアリサーチャーは、製薬企業の地域医療への参画や販売情報提供活動ガイドラインの施行などを背景に、「変化する環境に対応したMR活動を行う必要がある」とし、「医師などの医療従事者が求めている情報を知るために双方向の対話を行ったり、地域や医師に関するオープンデータやアンケート結果などを利活用することが、今後さらに重要になってくるのではないか」とコメントしている。
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