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前立腺がん薬ザイティガと排尿障害薬ザルティア 販売名類似による処方間違いで注意喚起

公開日時 2019/09/11 03:51
ヤンセンファーマ、アストラゼネカ(AZ)、日本イーライリリー、日本新薬の4社は、前立腺がん治療薬ザイティガ錠(一般名:アビラテロン酢酸エステル)と前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬ザルティア錠(タダラフィル)について、販売名類似による処方間違いや薬剤取り違え事例が報告されているとして、医療機関に対し注意喚起している。この情報は9月10日に医薬品医療機器総合機構(PMDA)から配信された。

ザイティガは製造販売元がヤンセンで、AZがプロモーション提携している。ザルティアは製造販売元が日本リリー、販売元が日本新薬となっている。14年9月から販売名類似による取り違えに関する注意喚起を行ってきたが、19年7月末までに18件の処方間違い・取り違え事例が報告された。

例えば、前医より前立腺がん疑いで受診があり、精査の結果、前立腺肥大症と診断して治療を継続した。治療開始から約半年後に効果不足のためザルティアを追加処方するつもりがザイティガを処方してしまった。処方17日後に処方間違えに気づき、患者に連絡して服薬を中止。検査したところ特に異常はなかったという。この医療機関の処方オーダリングシステムではザイティガに「(腫)」の文字が付加されるが、医師が見落とした。

別の事例では、調剤薬局において、ザイティガの用法・用量とは異なる処方内容(本来は空腹時服用、ミスは朝食後服用)で、ザイティガと併用するプレドニゾロンの併用もなかったため処方医に疑義照会したところ、本来はザルティアを処方すべき患者だった。

4社連名の注意喚起の文書では、医師に対しては処方時に▽販売名▽薬効▽用法・用量――などをいま一度確認してもらいたいとしている。薬剤師に対しては、▽販売名と用法・用量があってるかの確認▽ザイティガが処方されている際には、プレドニゾロンが併用されているかの確認▽併用薬、病名などの情報を利用し、前回の処方歴及び薬歴との照合▽患者に「どのような疾患で受診したか」を可能な限り口頭で確認――するよう求めている。

処方オーダリングシステムを利用している場合は、薬剤名検索時に一般名または3文字以上を入力した場合に該当薬剤を表示するなどの防止策を講じてほしいとしている。
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