ヤクルト本社 セルヴィエの抗がん剤イリノテカンリポソーム製剤を販促へ
公開日時 2019/10/09 03:50
日本セルヴィエとヤクルト本社は10月8日、セルヴィエが日本で承認申請している抗がん剤イリノテカン塩酸塩水和物のリポソーム製剤について、ヤクルトが日本でプロモーションする契約を締結したと発表した。日本セルヴィエは製造販売元となり、販売・流通を担う。また、セルヴィエは契約に基づき、コ・プロモーションのオプション権を留保する。
同剤は、イリノテカンを有効成分として、リポソームに封入した製剤。時間をかけて徐々に薬剤を放出し、より長く腫瘍組織に働きかけることが特徴のひとつとなる。
日本では日本セルヴィエが19年3月に、ゲムシタビン治療後に進行した転移性すい臓がんを予定効能に承認申請した。海外では、販売名「Onivyde」として世界17か国以上で販売され、5-FUとロイコボリンとの併用で、ゲムシタビン治療後に増悪した成人すい臓がんに用いられている。
ヤクルト本社はイリノテカンを創製し、膵がんなどの治療薬カンプト点滴静注として販売している。
日本セルヴィエのエリック・デラージュ代表取締役は、「長年にわたるがん領域での専門性とすい臓がん治療の経験を持つヤクルト本社とのパートナーシップにより、当社は日本における存在感を高めるとともにグループとして世界におけるプレゼンスを広げていく」とコメントしている。
セルヴィエは非営利財団が運営する製薬企業で、フランスに本社がある。149か国に拠点を持ち、18年の売上は42億ユーロ。循環器、免疫炎症、中枢神経、がん、糖尿病――の5つの重点領域で新薬開発し、後発品事業も手掛ける。長期経営戦略のひとつとして、がん領域のキープレーヤーとなることを掲げている。