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米FDA 初のサル痘ワクチンを承認 テロへの脅威に備え

公開日時 2019/10/09 03:50
米食品医薬品局(FDA)は9月24日、Bavarian Nordic A/S社の天然痘およびサル痘ワクチンJynneosを承認した。同製品は、生ワクチンかつ非複製性ワクチン。適応は、天然痘およびサル痘の感染リスクが高い、18歳以上の成人における予防。サル痘予防ワクチンとしては初めてのFDA承認製品となる。

世界的な天然痘撲滅計画により、WHO(世界保健機関)は、1980年に撲滅宣言を行っている。ただ、米国では1972年から天然痘ワクチンの定期接種を中止しており、天然痘への免疫を持っていない状況にある。そのため、同製品は、国が公衆衛生上の緊急時に必要とする医薬品などの最大限の供給を確保するための戦略的国家備蓄(Strategic National Stockpile)の一環として準備される。優先審査の指定と併せて公衆衛生上の危機に対応する薬剤の場合に優先審査を行う優先審査バウチャーも発行されていた。

FDA生物製剤評価研究センター(CDER)のPeter Marksセンター長は、「自然発生する天然痘の脅威はもはやないが、この接触感染によるウイルスが世界的に放出されれば、大変な結果をもたらす。本日の承認は、安全かつ有効なワクチン、治療法および他の医学的対策の支援を通して、準備に取り組む政府の姿勢を反映している」とバイオテロ防衛の観点からの承認についてコメントした。

同製品は、改変ワクシニア・アンカラ(Modified Vaccinia Ankara)と呼ばれるワクシニア・ウイルスの改変型を含有している。改変ワクシニア・アンカラは、ヒトでは疾患を発症させず、ヒト細胞では複製できない非複製性ウイルス。天然痘もしくはサル痘を引き起こすウイルスは含有されておらず、ウイルスに酷似しているが毒性が少ない。

Bavarian Nordic社のPaul Chaplin社長兼CEOは、「Jynneosの承認は、わが社とHHS(米国保健福祉省)にとって非常に大きなマイルストーンである」としたうえで、NIH(米国立衛生研究所)の求めに応え、開始してから15年間の政府機関との協力が実ったとコメントした。

サル痘は、米国では、自然発生はない希少疾患。症状は発熱、頭痛で始まり、筋肉痛、消耗症候群を呈し、死亡する場合もある。天然痘に類似しているが、より軽症で、齧歯類や霊長類など幅広い野生動物から感染する。2003年には米国で初めて、アフリカ以外でヒトのサル痘の発生をみた。
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