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協和キリン・19年12月期決算 ネスプAG急伸「かなりのスピードで切り替わった」

公開日時 2020/02/06 04:51
協和キリンは2月5日、2019年12月期決算(1~12月)を発表し、売上高は12.6%増の3058億2000万円だったと発表した。同社の屋台骨を支える腎性貧血治療薬ネスプの売上減などが響き、国内医薬品市場は9億の減収となった。一方で、いわゆる“バイオセイム(バイオAG)”のダルベポエチンアルファ注シリンジ「KKF」が140億円の売上を確保した。宮本昌志代表取締役社長は2019年8月の発売以降、「かなりのスピードでAGに切り替わった」との見方を示した。ネスプのバイオシミラーの登場や、経口治療薬の低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PH)阻害薬の登場などで腎性貧血治療薬市場の競争激化が見込まれるが、20年には119%増の307億円の売上を見込む。宮本社長は、同領域で30年近く培ってきた信頼と経験で市場をリードすることに自信をみせた。

同社の屋台骨であるネスプだが、19年の売上高は336億円。18年の537億円から37%減となった。一方で、ネスプAGは先発品からの切り替えを含め、あっという間に市場浸透が進んだ。診療報酬上で包括点数を敷く透析市場だけに低薬価は最大の武器にもなる。実際、第4四半期(10~12月)は、ネスプの売上高16億円に対し、ネスプAGは84億円と、すでに売上も大きく超えている状況にある。ネスプとAGを合わせたネスプファミリー全体で見ると、18年に比べ、61億円の減収となったが、「AGを出した方が会社としても、将来的に長い目で見ると利益が出るだろうということでやっている」と説明。ネスプAGの滑り出しも、「ほぼ予想通り」と強調した。

一方で、この領域は薬価制度改革や、競合品の参入などの影響を大きく受けることが想定される。20年度薬価制度改革ではバイオセイム(バイオAG)に対し、収載時の薬価は0.7掛けとし、バイオAGとなったタイミングで先発品をG1・G2ルールの対象とすることが盛り込まれた。そのため、薬価改定の影響の響くネスプは、20年計画では売上高40億円と大幅減を見込む。一方で、ネスプAGについては、307億円の売上高を見込む。

ただ、ネスプのバイオシミラーとして、JCRファーマ・キッセイ薬品、三和化学研究所・ジーンテクノサイエンス、マイランEPDの3社が市場参入した。さらに、HIF-PH阻害薬のエベレンゾ(アステラス製薬)が19年11月に上市された。同社も、HIF-PH阻害薬のダプロデュスタットをめぐり、グラクソ・スミスクライン(GSK)と戦略的販売提携契約を結ぶ。宮本社長は、全体の進捗を見ながら考えていく」としたうえで「腎性貧血領域は長く使っていただいている。安心のベースは30年近くやってきた成果だと思っている。これを引き続き大事にしていきたい」と強調。培った医師とのリレーションを武器にさらに腎性貧血領域で存在感を発揮したい考えを示した。

ダプロデュスタットは、先行する
エベレンゾが適応を取得した透析期に加え、保存期についても承認申請を行っている。同時に適応取得となれば、同剤の強みとなる可能性がある。「30年に渡る腎性貧血領域の経験から言っても、そん色のないプロファイル。良い所をしっかり訴求して伸ばしていきたい」と意気込んだ。

◎グローバルマネジメント体制の確立を加速

20年通期決算でも海外事業が344億円伸び、好調だった。売上を牽引したのが、ヒト型抗 FGF23 モノクローナル抗体・クリースビータ(海外製品名:Crysvita)で、北米を中心に325億円を売上げた。国内でも19年12月に「FGF23 関連低リン血症性くる病・骨軟化症」の適応で上市している。宮本社長は、欧州などでも順調に市場浸透しているとして、上市する国・地域の増加や、成人適応の取得などで、浸透をさらに進める姿勢を強調した。

売上高における海外比率も高まるなかで、組織としてもグローバルマネジメント体制確立を加速させる考えだ。全体のレベルをさらにグローバルのトップの企業に上げていきたい」と意気込む。日本、欧州、北米、アジア・オセアニアと4地域の軸と、薬事や品質、研究、開発、ファーマコビジランスなどの機能を掛け合わせ、「機能×地域」のマトリクス型体制構築を進める。グローバルファーマなどからの人材採用も進めているという。宮本社長は、「規模を追いかけるのではなく、スペシャリティーファーマとして、アンメットメディカルニーズの高い我々にしかできないことで、患者の笑顔を創りたい」と強調した。コンパクトな組織を確立することで、コミュニケーションを深め、意思決定を速く進めるグローバル組織へと変革する姿勢も鮮明にした。

◎マイトマイシン 製造の薬機法違反で役員報酬を一部返上

同社のグループ会社である協和発酵バイオが、抗がん剤・マイトマイシン注用2mgおよび10mgの原薬を承認書と異なる方法で製造し、防府工場が薬機法違反で18日間の業務停止・業務改善命令を受けたことについて、改めて謝罪した。宮本社長は、「原因や改善に向けた提言等をしっかり受け止め、医薬品製造販売業者として責務を十分果たし、必要な改善策を徹底して実行する。品質管理に対して一層万全を期して再発防止に努める」と述べた。同社はこの日、役員報酬を一部返上すると発表した。花井陳雄取締役会長は月額報酬額の100%および賞与100%、宮本社長は月額報酬額の50%および賞与100%を返上する。返上期間は3か月間。なお、この問題による19年の税引前利益への影響としては、40億円を計上している。

【連結業績(前年同期比) 20年通期予想】

売上高 3058億2000万円(12.6%増) 3270億円(6.9%増)
コア営業利益 593億5300万円(18.0%増) 650億円(9.5%増)
親会社に帰属する当期利益 670億8400万円(23.3%増) 490億円(27.0%減)

【主要製品売上(前年同期実績) 20年通期予想、億円】
ネスプ 336(537)40
ダルベポエチン アルファ注シリンジ「KKF」 140(―)307
レグパラ 65(133)32
オルケディア 69(24)101
ロカルトロール 36(38)33
オングリザ 74(74)69
コニール  40(48)30
ジーラスタ  246(207)281
フェントス 47(54)37
ポテリジオ  20(18)20
リツキシマブBS「KHK」 97(43)101
ロミプレート  49(32)72
アレロック 108(126)83
パタノール 136(134)95
アサコール  23(29)-
ドボベット 68(59)71
ルミセフ 25(20)30
ノウリアスト  97(94)105
ハルロピ 1(―)19
デパケン 45(53)36
クリースビータ 1(―)35
技術料収入 46(27)37


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