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EMA COVID-19によるサプライチェーン障害への対応

公開日時 2020/03/12 04:50
欧州医薬品庁(EMA)は、欧州における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延が医薬品サプライチェーンに及ぼす影響を最小限にするために、COVID-19の蔓延状況とサプライチェーンの監視を強化する。EMAが3月10日明らかにした。

EMAとEC(欧州委員会)およびEU加盟各国保健当局は、COVID-19の欧州での蔓延によりサプライチェーンに障害を生じ、医薬品製造量の不足や流通での障害を招来しないように、その対応策を協議するために、新規に「大事件(事故)などによって引き起こされる医薬品不足についてのEU幹部級運営委員会」(EU Executive Steering Group on Shortage of Medicines Caused by Major Events)を設置、第1回会合を開いた。同委員会は、COVID-19蔓延のような大事件でヒトおよび動物用医薬品の供給に大きな影響が及ぶと予測される場合に、緊急の対応策をとるための戦略を立て、実施に移すことを目的としている。同運営委員会は、ECが議長で、EC、EMA、HMA(EU各国保健当局幹部会)の代表などで構成される。

同運営委員会は、具体的には、COVID-19が一定の地域で蔓延した際に製造工場の閉鎖あるいは出荷の際に移動が制限されるなどにより製品不足を招来した場合に患者を保護するためにEU全体としての解決策を見出し、調整、対処する方法を編み出す。また、EU域内の患者および医療供給者に対して、リスクや措置について透明性と一貫性を確保した情報を提供する。

EMAは、すでに、EUの製薬団体(複数)に対して、加盟各社社員の中国において可能性のある隔離による影響やEEA(欧州経済地域)における供給の状況に一層留意することや製品不足の予兆が見られたら直ちに報告することを求めている。

また、同団体に対して、COVID-19蔓延の場合に予想される製品不足を防ぐための準備状況を評価し、その結果をEMAに報告するよう求めた。製薬団体は、現段階では、特に障害は見当たらず、在庫に問題はないとしている。しかし、供給をめぐる問題は、工場閉鎖が続いたり、流通上の問題や輸入制限などによる障害でも発生しうる。

EMAは、EUレベルおよび各国レベルの製薬団体は、今後、サプライチェーンに障害が生じた場合に、どのように回復できるかについての情報を提供することが求められるとしている。
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