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乳がん治療 遺伝子型によるタモキシフェンの増量不要 国がんら研究グループ

公開日時 2020/03/24 04:50
国立がん研究センターや慶應義塾大学、理化学研究所などで構成される研究グループはこのほど、乳がんのタモキシフェン療法について、CYP2D6の低活性遺伝子型を有する患者に対し、増量しても治療効果の向上は認められなかったとする研究結果を発表した。研究グループは、「遺伝子型に基づく用量の個別化は不要」だと結論付けた。

研究は、ホルモン受容体陽性転移・再発乳がん(一次治療)患者を対象に、全国54施設との共同で行われた。CYP2D6遺伝子検査に基づいて、低代謝活性の遺伝素因を有していた136人を無作為に2群に分け、66例を標準用量である20mgタモキシフェンで治療する一方、70例については40mgに増量して治療した。

その結果、主要評価項目である試験治療開始後6か月時点での無増悪の割合は、20mg投与群で66.7%、40mg投与群で67.6%となり、「増量による治療効果向上は認めなかった」とした。副次評価項目である血清中の活性代謝物エンドキシフェン濃度は、「20mg投与群と比較し、40mg群で有意に高かったものの、治療効果と関連はなかった」という。このため研究グループでは、「CYP2D6遺伝子型に基づく用量個別化は不要」と結論づけた。

タモキシフェンは、肝代謝酵素のCYP2D6により、代謝産物であるエンドキシフェンと4-OH-タモキシフェンに変換され、治療効果を発揮する。しかし約7割の日本人では、CYP2D6の活性が遺伝的に低く、個別化医療の必要性が検討されてきた。海外でも2005年に米国の研究グループが、CYP2D6活性が遺伝的に低い人では治療効果が劣るという仮説を発表するなど、タモキシフェン療法とCYP2D6活性の関連を明らかにすることが長年の課題となっていた。


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