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血中酵素を1分子レベルで検出可能に バイオマーカー発見や診断法確立に期待 東大ら研究グループ

公開日時 2020/03/19 04:50
東京大学大学院薬学系研究科、理化学研究所、東京大学大学院工学系研究科、名古屋市立大学大学院薬学系研究科、国立がん研究センター研究所の教員・研究員らで構成される研究グループは3月11日、血液中に含まれるさまざまな酵素を「1分子」レベルで区別して検出する新たな方法論を開発した。疾患とかかわる酵素活性異常を超高感度に検出する早期診断法の確立が期待されている。

◎異分野技術の融合で酵素活性の違いを見分ける

生体内にある数千種類を超える酵素の中には、さまざまな疾患の発生と関連して活性異常が起こるものがあることから、血液中の特定の酵素活性異常の検出は、疾患の有無を判断する際の指標(バイオマーカー)として広く用いられている。なお、タンパク質や核酸など1つの分子の挙動を観察する1分子計測技術は、日本が世界のトップを走る研究分野だ。

ただし、これまでの1分子酵素活性計測法では、選択的な酵素活性評価が難しく、その感度の不十分さから血液中に存在するごく微少量の酵素を検出することが容易ではなかった。

研究グループが新たに開発した方論論は、1分子レベルの高精度計測を可能とするマイクロチップ技術と、酵素活性を高感度に検出する有機小分子蛍光プローブ技術を融合させることで実現した。マイクロチップ内に1分子ごとに封入される酵素の種類を異なる色の蛍光プローブを用いて区別し、酵素の活性の違いをパラメータ化することで分離・検出するというもの。

これにより、血液中に存在する多様な酵素のはたらきを1分子レベルで理解することが世界で初めて可能となった。また、血液中のごく微少量の疾患関連酵素を超高感度に検出することが可能になり、これまで見いだせなかったバイオマーカーの発見や利用への端緒になるとの期待も高い。

実際に、研究グループは疾患診断およびその確立を目指す基礎研究への応用可能性を検証するため、膵臓がん患者の血漿サンプルから酵素活性を解析し、疾患の進行に伴い血液中に上昇するタンパク質の発見に成功している。これまでに同タンパク質の存在が血液中で検出された報告はなく、この研究によって初めて発見された新たなバイオマーカー候補として、さらなる検証と応用を目指した研究を進めていく予定だという。
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