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日本リリー・トムセン社長 患者志向のイノベーション推進 治療満足度をデジタルでサポート

公開日時 2020/06/03 04:53
日本イーライリリーのシモーネ・トムセン社長は6月2日、社長就任後初の記者会見をウエブで行い、「患者さん志向による、製品にとどまらないイノベーションの推進により、継続的な成長を図る」と表明した。LINEヘルスケア社のプラットフォームを通じたチャットツールの提供などを通じ、医療者と患者の関係強化をサポートする取り組みをスタートさせた。デジタルを最大限に活用した、”患者に寄り添うサポート”を提供することで、治療へのモチベーション維持を目指す。トムセン社長は、「好評を得ている」と手ごたえを語った。

■患者に寄り添うサポートで治療のモチベーション維持を支援

日本イーライリリーの現状についてトムセン社長は、成長の80%は糖尿病、自己免疫疾患、疼痛、がんなど重点領域の新薬群でもたらされていると紹介した。そのうえで、「2025年までに約2200万人の日本の患者さんのより豊かな人生に貢献する価値を提供する」と話した。

トムセン社長は、「今後特に集中したいのは患者中心で展開すること」と語った。同社では、治療継続上の不安や疑問に耳を傾ける「カスタマーサポートプログラム」を開発し、提供している。乾癬治療薬トルツや抗リウマチ薬オルミエントを処方されている患者など約3000人がすでに登録しており、利用満足度は90%以上という。

糖尿病治療薬トルリシティをめぐっては、LINEヘルスケア社のプラットフォームを活用し、正しい服薬をサポートする情報ツールの開発、提供を行う。投与日をアラートで知らせるほか、チャットを用いて不安や疑問に答えている。トムセン社長は、「患者さんに常に寄り添うサポートで、治療へのモチベーション維持を支援したい」としている。なお、患者の症状や治療内容に対して個別にアドバイスすることは医療行為にあたるため、提供していない。

このほか、研究開発でも、患者参画の観点からデジタルを活用した環境整備を進める。たまご型コミュニケーションロボット「Tapia(タピア)」の活用で、治験に参画する小児に治験への理解を深めてもらう取り組みも進める。小児の臨床試験では治験に参画する患者数が少ないことが指摘されるなかで、治験参加・継続を促すことも視野に入れる。

■ポストコロナのMR活動 「ナンバー1としてデジタルになると思う」


同社のデジタルを用いて医療従事者とコミュニケーションをとる取り組みは10年以上になり、社内では「e-MR」や「e-学術」などと呼称している。新型コロナウイルスの感染拡大による医療機関への訪問自粛の中でも、これまでの経験やノウハウを駆使して、4月1日から国内の全MRが顧客とオンライン面談できるようにした。トムセン社長は、「オンラインプラットフォームで顧客とコンタクトできた初めての製薬企業のひとつと思う。これまでに構築した能力を拡大、充実させたい」とし、オンライン面談の機能をより進化させる意向を示した。

ポストコロナ時代のMR活動のあり方については、「これから数週間の間に、MRは顧客と対面することができるのか」と話すとともに、「ナンバー1としてはデジタル活動になると思う」「今後はFace to Faceとデジタル面談のミックスになっていく」と見通した。リアルのMR活動とデジタル面談のバランスについては、「これから学んでいけると思う」とし、デジタル面談だけで良い顧客、デジタルとリアルの両方を求める顧客、リアルのみを求める顧客のすべてのニーズに応えていくと強調した。また、「デジタルを活用するからと言って、MR数を変更する計画はない」とも語った。

MSLの活動についても、「MSLによる医師とのコミュニケーションはこれまで対面とデジタルを併用していたが、(新型コロナによる)この状況下では、MSLと医師とのコミュニケーションは100%デジタルで行われている」と吉川彰一・バイスプレジデント(取締役執行役員 研究開発・メディカルアフェアーズ統括本部)は説明した。MRにとどまらず、全社をあげてデジタルの利活用に取り組んでいる姿勢を鮮明にした。

■新型コロナ治療薬の研究を加速「早ければ今月末にも最初の結果を報告」


このほか、新型コロナウイルス感染症治療薬についても注力する姿勢を強調。経口JAK阻害薬バリシチニブの米国国立衛生研究所(NIH)傘下の国立アレルギー感染病研究所(NIAID)主導の臨床試験の結果が、「早ければ今月末にも最初の結果が報告できる可能性がある」(吉川バイスプレジデント)としている。また、AbCellera社と共同開発している新型コロナウイルスを中和する抗体薬の臨床試験も米国で1例目に投与されたことも紹介された。

トムセン氏は2019年9月に日本リリーの社長に就任。製薬業界で23年間、うち18年間をイーライリリーグループでキャリアを積んだ。11年に日本リリーのマーケティング本部長を務め、その後、ドイツ・オーストリア・スイスを統括する社長などを歴任後、日本リリーの社長に就いた。日本リリー初の女性の社長で、「革新を推進する土壌としてダイバーシティやインクルージョンを加速させる」との経営方針も示した。

(おことわり)一部表現を修正しました。(6月3日 12時20分修正済)


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