ノボ ノルディスクファーマは６月19日、心腎疾患の画期的治療法の研究開発を行う米Corvidia Therapeutics社を買収する契約を締結したと日本法人を通じて発表した。ノボは今回、アテローム性動脈硬化症性心血管疾患と炎症を併発している慢性腎臓病（CKD）患者を対象に臨床試験中のziltivekimabを取得。「糖尿病・肥満分野におけるノボ ノルディスクの中核事業と密接に関連する心血管代謝疾患分野におけるプレゼンスの強化を目指すノボの戦略に基づくもの」だとしている。

ziltivekimabは半減期延長技術を利用したIL-6に対する完全モノクローナル抗体。現在、フェーズ2b用量設定臨床試験（RESCUE）を実施中で、CKDステージ３～５のCRPレベルが高い患者に対し、ziltivekimab を月１回皮下注射した場合に関する評価をしている。

ノボのエグゼクティブバイスプレジデント兼チーフサイエンスオフィサーのマッズ クロスゴートムセン氏は、「ziltivekimabは主要心血管イベントのリスクが高い患者集団における心血管疾患の負担を軽減する治療としては、最初にして最高のものとなる可能性があると考えている」としている。

ノボは、Corvidia社の発行済み株式を現金７億2500万ドルで取得する予定。Corvidia社の株主に対する支払総額は、ノボが規制面と売上に関する一定のマイルストンを達成した場合、最終的には現金で21億ドルに達する可能性がある。