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DPC病院の薬剤費 4月は外来3.9%増、入院17.4%減 外来化学療法などに受診抑制みられず

公開日時 2020/07/02 04:53
DPC病院の4月の薬剤費が、外来医療は前年同月比3.9%増だった一方で、入院医療は同17.4%減となったことが、メディカル・データ・ビジョン(MDV)が保有する診療データベースでわかった。患者数は、外来は同14.3%減、入院は同17.6%減――だった。外来は患者減/薬剤費増との構図だが、外来での使用薬剤別に、4月に処方患者数と薬剤費がともに伸びた製品を確認すると、抗がん剤/がん免疫療法薬、国の指定難病の治療薬、血友病A治療薬、骨粗鬆症に用いる抗体製剤などで伸びていた。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う受診抑制は、外来がん化学療法など定期的な通院と治療が必要な疾患では起きていないといえそうだ。

文末の「関連ファイル」にDPC病院を対象にした、20年4月の外来・入院別の▽患者数▽薬剤費――の実数と伸び率のほか、外来・入院別に薬剤費が伸びた製品トップ10などの一覧表を掲載しました。ミクスOnlineの会員のみダウンロードできます。

MDV社は今回、新型コロナによる患者や処方薬の動向、病院経営への影響を分析するため、187の急性期病院(DPC病院)を対象に、19年4月と20年4月の診療データを用いて調査した。外来は患者減/薬剤費増、入院は患者減/薬剤費減――となったが、外来と入院を合わせた全体では、患者数は前年同月比14.6%減だったが、薬剤費は同0.1%減とほぼ横ばいだった。

■外来の薬剤費 難病治療の高額薬剤も押上げ

外来・入院別に、製品別の処方動向を見てみる。外来について、4月の製品別の薬剤費(処方数量×薬価)が前年同月と比べて最も増えたのは、19年9月発売の発作性夜間ヘモグロビン尿症治療薬ユルトミリス点滴静注だった。20年4月は患者32人に使用され、薬剤費は約2億5000万円だった。薬価は73万894円と高額なため薬剤費も伸びた。この疾患は国の指定難病になっている。

薬剤費の増加額で2位は、19年3月にトランスサイレチン型心アミロイドーシス(以下、ATTR-CM)の適応を追加したビンダケルカプセルで、4月は患者54人(19年4月は15人)に使用されて薬剤費は2億7400万円、薬剤費の前年同月からの増加額は2億3300万円だった。薬価は4万3672.80円。ATTR-CMは国の指定難病の全身性アミロイドーシスのひとつで、ビンダケルは初のATTR-CMの治療薬として登場した。

薬剤費の増加額で3位は抗がん剤タグリッソ錠で、4月は患者1301人(19年4月は972人)に使用されて薬剤費は8億6300万円、薬剤費の増加額は約1億7100万円だった。非小細胞肺がん1次治療での使用が伸びているとみられる。4位は、インヒビター非保有患者にも使える血友病A治療薬ヘムライブラ皮下注で、4月は患者38人(同18人)に使用され、薬剤費は2億1700万円、薬剤費の増加額は約1億6900万円。

5位は、免疫チェックポイント阻害薬テセントリク点滴静注で、4月は患者357人(同221人)に使用され、薬剤費は2億9900万円、薬剤費の増加額は約1億2700万円だった。19年9月に免疫チェックポイント阻害薬として国内初となるPD-L1陽性トリプルネガティブ乳がんの適応を追加したことも使用患者の増加要因のひとつとみられる。6位は乳がん治療薬ベージニオ錠で、患者476人(同231人)に使用され、薬剤費は1億9800万円、薬剤費の増加額は約1億800万円だった。これら6製品が、4月の薬剤費の増加額が1億円以上の製品で、処方患者数も伸びた。

■イベニティ、キイトルーダ、パージェタも処方患者増加

処方患者数が急増した新薬を確認すると、骨粗鬆症に用いる抗体製剤イベニティ皮下注が突出していた。19年3月発売との発売時期と調査タイミングの影響もあることに留意が必要だが、20年4月は1500人に使用され、前年同月の322人から5倍近く伸びた。20年4月の薬剤費は7500万円、前年同月からの増加額は5900万円。イベニティは月1回、12か月皮下投与で用いる。

最も使用されている免疫チェックポイント阻害薬キイトルーダ点滴静注は、薬価引下げの影響もあって4月の薬剤費は前年同月から1億円以上減ったが、4月の処方患者数は1268人で、前年同月の967人から3割増しとなった。4月の薬剤費は8億700万円で、前年同月から1億2400万円減となった。HER2陽性乳がん治療薬パージェタ点滴静注も4月に1108人に処方され、前年同月の759人から急増した製品のひとつだ。薬剤費は3億4300万円、薬剤費の増加額は7200万円。これらの結果からも、定期的な受診と治療を必要とする疾患では、新型コロナによる受診抑制はみられないといえそうだ。

一方で、4月の薬剤費が前年同月から1億円以上減ったのは、C型肝炎治療薬マヴィレット、抗がん剤アバスチン、抗がん剤ハーセプチン、キイトルーダの4製品だった。マヴィレット、アバスチン、ハーセプチンでは使用患者数も減っていた。マヴィレットはC型肝炎の根治が背景にあり、アバスチンとハーセプチンはバイオ後続品の影響とみられる。

■入院 処方患者100人以上増はテセントリク、バイオ後続品、後発品

入院は、前述の通り患者数の減少とこれに伴う薬剤費の減少が起こったが、この状況下でもテセントリクは4月に前年同月から処方患者数を100人以上増やした。20年4月の処方患者数は181人(19年4月は73人)で、薬剤費は1億2600万円、前年同月から7700万円増えた。

テセントリク以外に4月に処方患者数が100人以上増えたのは、抗がん剤リツキサンのバイオ後続品のリツキシマブ「KHK」(20年4月:527人、19年4月:366人)、ヤンセンから製造販売承認を承継して19年9月に発売した麻酔用鎮痛薬フェンタニル「テルモ」(20年4月:1万416人)、19年8月発売の腎性貧血薬ネスプのバイオ後続品のダルベポエチンアルファ「KKF」(20年4月:1307人)――といったバイオ後続品や後発品だった。

テセントリクを除く新薬の4月の処方患者数は増えたとしても2ケタ止まりで、薬剤費の増加額も3000万円未満だった。多くの製品で処方患者数は減った。
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