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中外製薬・小坂CEO 「AI×RWD×デジタルバイオマーカー」で真の個別化医療実現 ヘムライブラの海外売堅調

公開日時 2020/07/28 04:51
中外製薬は7月27日、2020年1~6月期の決算について、コア営業利益が対前年同期比38.8%増の1437億円だったと発表した。第2四半期として過去最高の売上収益、営業収益、四半期利益を達成した。国内市場が薬価改定や新型コロナウイルスの影響を受けるなかで、自社創成品である血友病治療薬のヘムライブラが成長を牽引。海外売上高が好調で、ロイヤルティ収入が伸び、新型コロナ禍のなかで、大幅な増収増益を確保した。小坂達朗代表取締役会長CEOは同日の電話会見で、新型コロナをきっかけに事業環境が変化するなかで、デジタルに集中的な投資を行い、変革を加速化させる考えを表明。「AIを活用した創薬を推進する。革新的新薬創出に向け、“AI×リアルワールドデータ(RWD)×デジタルバイオマーカー”のケイパビリティを向上させ、中外にしかできない、真の個別化医療を目指す」とさらなる飛躍に意欲をみせた。

同社の2020年1~6月期の売上収益は対前年同期比14.9%増の3681億円。国内製品売上高は、前年同期比2.6%減の2046億円。20年4月の薬価改定や後発品参入の影響で、主力品の抗がん剤・アバスチンが対前年同期比で49億円減となったほか、ハーセプチンが33億円減となった。成長ドライバーに位置付けるテセントリクが42億円増、ヘムライブラが19億円増と伸びたが、期初の計画を下回った。ヘムライブラは、新型コロナの影響で、大型施設を中心に既存薬からの切り替えが想定を下回ったことが影響した。依然として新型コロナの影響が医療現場に残るなかで、現状でも新型コロナ以前の状況にまで回復しているとは言い切れない状況にあるという。

◎ロシュからのロイヤルティなどの収入64.9%増

こうしたなかで、同社の成長を牽引したのが、自社創成品であるヘムライブラと、関節リウマチ治療薬のアクテムラだ。海外売上高は39.5%増の1010億円。戦略提携を結ぶロシュからのロイヤルティなどの収入も、64.9%増の625億円まで伸びた。アクテムラは重症の入院患者を対象とした第3相臨床試験を実施中で、国内外ともに20年中の申請を目指す。小坂CEOは、「製薬をはじめとするヘルスケア産業への期待も高まっているなか、引き続き新たな治療薬の開発に注力する」と強調した。

こうした姿勢を市場も評価し、時価総額ランキングは約8兆8000億円(7月17日時点)で、国内全体で7位に躍進。医薬品業界でトップに位置する。「日本を代表する企業としてヘルスケア産業のトップイノベーターを目指す」ことも明言。革新的新薬を核としたイノベーションで発展を加速させたい考えだ。

◎小坂CEO デジタル化を加速「ステークホルダーの行動や価値観の変化捉える」


こうしたなかで、カギを握るのがデジタル化の推進だ。リキッドバイオプシー検査の“FoundationOne Liquid”を3月に承認申請したほか、FRONTEO社と創薬支援AIシステムのライセンス契約締結、Biofourmis社と子宮内膜症に伴う痛みを客観的に評価するデジタル技術の共同開発をスタートさせるなど、取り組みも活発化している。人財やIT基盤の構築にも注力しており、一気にプラットフォーマーとなることも視野に入る。この日の会見で、小坂CEOは、AI創薬の活用の重要性を指摘。「ディープラーニング、抗体創薬について構造や臨床効果や安全性の予測などをすでに手がけている。中分子もAIを活用している」と述べた。

また、デジタル化の推進を創薬にとどまらず、ビジネスのあらゆるフェーズで、デジタル化を加速させたい考えだ。小坂CEOは会見で、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、「ステークホルダーの行動や価値観の変化を捉え、ウイズコロナ、アフターコロナを見据えて、改革を進めていく」と強調した。

新型コロナ禍のなかで、98%の社員が在宅勤務を経験したことも明らかにし、業務におけるペーパーレス化、電子署名やオンライン技術の活用、さらには「営業も活動を自粛した中で、支店のスペースをどうするか。働き方もかなり変えていかないといけない。いま色々検討しているところだ」と述べ、デジタルを通じた生産性向上の必要性についても言及した。ただ、オフィスの見直しについては、「個人的にはウイズコロナの中でやってもソーシャルディスタンスというなかで検討しても意味がない。ポストコロナを見据えて根本的にやっていきたい。オフィスの契約の問題もあるので年内に云々とはいかない。じっくり構えて、検討していきたい」とも語った。

◎MRの業務プロセスの変化に言及 「価値観も変わった」

MRなどの業務プロセスの変化についても言及。「我々の価値観も変わった。医療関係者の価値観も変わった。そして我々は、医療関係者の価値観に合わせた体制を作っていきたい」との考えを表明した。

日高伸二営業本部長は、情報提供の受け手である医療従事者にも、従来通り対面を必要とする医師からe-ディテーリングだけでいいという医師もいるなど、価値観が多様化していることを指摘。「それにしっかり対応していくことが大事だ。ひとつは、MRが顧客のタッチポイントとなることを進化させる。もう一つは、(ウエブなどを活用し)MRを介さない情報提供を進化させていく。この両面でしっかり対応していきたい」との考えを表明。MRとデジタルをミックスさせ、多様化する顧客に対応できる情報提供の姿の構築に意欲をみせた。
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