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米FDA マントル細胞リンパ腫のCAR-T療法Tecartusを承認

公開日時 2020/08/06 04:48
米食品医薬品局(FDA)は7月24日、米Kite Pharma社(ギリアドグループ)のCAR-T(キメラ抗原受容体T細胞)療法Tecartus(brexucabtagene autoleucel)について、成人における再発もしくは難治性マントル細胞リンパ腫(MCL)の適応で承認した。

同剤の適応は、他の治療法が奏功しないか、もしくは再発MCL。MCLを対象としたCART-T療法では、初のFDA承認の細胞をベースとした遺伝子療法となる。FDAは、同剤について、優先審査、画期的新薬(BT)、希少疾病薬および加速承認の指定を行っていた。患者のT細胞を採取し、リンパ腫細胞を標的としたキメラ抗原受容体を発現するように遺伝子操作を行い、その遺伝子操作が行われたT細胞を患者の体内に戻す。

Kite社は、遺伝子療法では、すでに2017年10月に再発または難治性大細胞型B細胞リンパ腫治療薬Yescarta(axicabtagene ciloleucel)の承認を取得、今回のTecartusは、同社2剤目の遺伝子治療薬となった。

FDA生物製剤評価研究センター(CDER)のPeter Marksセンター長は、「治療が困難な衰弱性疾患に対しての新規治療法の発見は大幅な進歩を遂げている。本日の承認は、がんと闘うのを助ける患者自身の免疫系を活用する一方、医療の新たな分野における科学的進歩を応用する個別化医療の新たな実例である」と指摘したうえで、「我々は、遺伝子治療分野での持続的な進歩を目の当たりにしており、この有望な医療の新分野におけるイノベーション支援に取り組み続けている」とコメントした。

Kite社のChristi Shaw CEOは、「我々は、このような血液がんの患者に対して期待の出来るCAR-T療法を提供することに取り組んできたので、我々の2番目の細胞療法剤を発売出来ることを誇りに思う」と述べた。さらに、承認に至るまでの臨床試験参加者、医療関係者、規制当局関係者らに謝辞を述べたうえで、「再発・難治性MCL患者に大きな変革をもたらす可能性のあるこの治療法を提供するためにリンパ腫患者コミュニティと協力できることを楽しみにしている」と同剤供給への意欲を示した。
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