武田薬品 AWS、アクセンチュアと提携 デジタルでビジネス変革加速
公開日時 2020/10/15 04:51
武田薬品は10月14日、デジタルを活用したビジネス変革を加速するため、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)と総合コンサルティング企業のアクセンチュアと5年間の戦略的提携契約を締結したと発表した。AWSのクラウド活用を前提した「クラウドファースト」のアプローチを採用し、容易なデータ連携やAIによる分析などから導き出される知見により、▽医薬品開発の加速▽俊敏な業務運営▽ITコストの削減――などを実現する。また、データやデジタル領域の専門人材を今後3年間に数百人採用する計画も明らかにした。
武田薬品は、「データサービスおよびその活用力の強化を通じ、ライフサイエンス分野におけるエコシステムや外部パートナーとの連携を拡大する」としている。3社の提携の一例として、これまでに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する臨床研究を拡大するためのデータ共有などを行うプラットフォームを5日足らずで構築したという。クラウドを活用しなかった場合、このプラットフォームの立ち上げに最大3か月必要だったとしている。
■武田薬品・ウェバー社長 「10年以内に従業員全員がAIをより良い判断の手助けとなるよう活用」
武田薬品のクリストフ・ウェバー社長CEOは、「私のビジョンは、今後10年以内に従業員全員が人工知能をより良い判断の手助けとなるように活用し、革新的な治療薬や体験をこれまで以上に迅速に患者さんや医師、医療費を支払う人たちに提供できるようになること」だとし、3社による連携でこのビジョンを実現するとした。
武田薬品は、「クラウドファースト」のアプローチにより、不要なシステム構築作業を排除し、より高い拡張性と信頼性を担保した安全なITアーキテクチャを構築する。アプリケーションの80%をクラウドに移行し、差別化をもたらさないテクノロジーや自社データセンターの削減を進め、支出の抑制を図る。
また、デジタル人材の新規採用のほか、数千人規模の社員を対象にデータやデジタルのスキル向上のためのトレーニングを実施し、データの更なる活用力やデジタル化を推進する。