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製薬協・生活者意識調査 製薬産業の「信頼感」3.3ポイント増の87.2% コロナ薬・ワクチン開発に期待

公開日時 2020/11/24 04:52
日本製薬工業協会(製薬協)広報委員会は11月20日、「第14回くすりと製薬産業に関する生活者意識調査」の結果を公表した。製薬産業に対する信頼感は87.2%で、前年調査(19年)に比べて3.3ポイント増加した。製薬産業のイメージは、「社会的に必要性が高い産業」が93.2%。次いで「技術力が高い産業」が92.4%で、いずれも前年調査比2.3ポイント増加した。新薬開発の産学連携先への金銭の支払いを「認知している」との回答は46.1%で、2.3ポイント減。金銭の支払いを「公開していることを認知している」は21.7%で、0.9ポイント減少していた。ただ、金銭支払の情報公開に対する評価率は68.8%だった。

調査は、医療用医薬品や製薬産業に対する患者・生活者の理解や認識の実態を把握し、広報活動の基礎資料とすることを目的に行った。首都圏、京阪神圏の満20歳以上の男女(医療関係者、製薬企業従事者を除く)を対象に、20年6月23~25日にインターネットで調査した。標本数は2000人。なお、今回調査は、前年2019年調査に続くもの。

◎信頼感の要因 「社会的に必要性が高い産業」がトップ、次いで「技術力が高い産業」

製薬産業の信頼感については、「信頼できると思う」と「まあ信頼できると思う」を合計した信頼肯定層は87.2%。年代別の信頼肯定度は70代以上が91.4%。最も低い40代は83.6%だった。

信頼感にプラスの影響を与えている要因について重回帰分析すると、「社会的に必要性が高い産業」が最も大きく、次いで「技術力が高い産業」、「企業の倫理性が高い産業」、「社会貢献に熱心は産業」、「研究開発に熱心な産業」、「情報を積極的に提供している産業」、「日本における21世紀のリーディング・インダストリー」、「将来性がある産業」の順となった。逆に、マイナスの影響を与えている要因は、「国際化が進んでいる産業」、「高収益をあげている産業」があがった。

◎信頼できない理由 「利益優先だから」

自由回答をみると、信頼する理由は、「信頼するしかないから」が216件。次いで「なんとなく」201件、「薬の効果があるから/安心・安全だから」172件、「新薬の開発に力を入れているから」167件、「人の生命に 関わる事だから」124件と続いた。逆に、信頼できない理由としては、「利益優先だから」が69件。次いで「薬害事故を起こしているから」35件、「情報が非公開だから」26件、「なんとなく」23件、「癒着事件が多いから」16件となった。

◎情報源はインターネットがトップ 新聞、雑誌の記事、TV等のCMは激減

製薬産業や製薬企業を知る情報源は、「インターネット(Webサイト)で」が39.6%で最も多い。前年調査比2.5ポイント増。2016年調査を比べても6.7ポイント増加している。「テレビ、ラジオのニュースや番組で」は36.0%、「新聞の記事で」は24.1%となった。なお、テレビ・ラジオが2017年まで情報源のトップだったが、18年からインターネットに置き換わっており、その差も拡がっている。「新聞記事」、「新聞、雑誌、テレビなどの広告」、「週刊誌など雑誌記事」は70歳以上で支持されているものの、他の年代で減少傾向が顕著になってきた。

製薬企業から医薬品や製薬産業に関する情報を入手したいとの意向は、「ぜひ入手したい」が8.6%、「機会があれば入手したい」が63.5%となった。受診経験別では入院経験層、通院経験層、副作用経験別では副作用経験層における情報入手意向が他層に比べて著しく高い。製薬会社から入手したい情報は、「自分が処方されている薬の情報」が68.0%で最も多い。次いで、「薬についての基本的知識」が52.0%、「薬の正しい使い方」が48.0%、「ジェネリック医薬品の情報」が34.2%、「新薬開発の新しい動き」が28.7%と続いた。

◎新薬開発時の大学や医療機関などへの金銭支払い 認知率は46.1% 「公開」は21.7% 

新薬開発の際に、製薬企業から産学連携先の大学や医療機関等への金銭の支払いについて「よく知っている」は8.6%、「ある程度知っている」は37.6%、2層を合計した認知率は 46.1%となった。19年調査に比べ2.3ポイント減。金銭の支払いを公開していることについて「よく知っている」は3.0%、 「ある程度知っている」は18.7%。合計認知率は21.7%で、前回より0.9ポイント減少した。 性別では男性の認知率が高く、年代別では70代以上が高い。

金銭の支払いの公開について、「評価できる」は22.7%、「ある程度評価できる」は46.1%だった。2層を合計した評価層の割合は68.8%。一方、「わからない」は26.2%、「評価できない」は5.0%で、前回と比べ、評価層の割合はやや増加している。 年代別でみると、20代の55.7%に対し、70代以上では84.0 %と差が大きい。また、「わからない」との回答の割合は年代が下がるほど高くなり、70代以上の13.8%に対し、 20代は37.0%となった。

◎製薬企業・産業への期待 「新型コロナウイルスの薬・ワクチンの開発」293件

製薬産業や製薬会社に対する期待を自由回答でみた。最も多かったのは「よく効く薬・早く効く薬を作ってほしい」の570件。次いで「新型コロナウイルスの薬・ワクチンの開発」が293件、「新薬の開発/更なる研究開発」が264件、「安全な薬・副作用の少ない薬の開発」が243件、「情報開示」117件となった。前回に比べ「よく効く薬・早く効く薬を作ってほしい」、「新薬の開発/更なる研究開発」の回答が増加し、「新型コロナウイルスの薬・ワクチンの開発」の回答の多さから製薬産業や製薬企業への期待度の大きさがうかがえる。


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