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薬食審・第二部会 新薬7製品の承認了承 HPVワクチン男性適応など

公開日時 2020/12/07 04:52
厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会は12月4日、新薬8製品の承認可否を審議し、このうち7製品の承認を了承した。この中には、MSDの4価HPVワクチン・ガーダシル水性懸濁筋注に男性適応を追加することが含まれる。HPVワクチンの男性適応は国内初。今月中の正式承認が見込まれるが、男性適応も定期接種とするかどうかは厚生科学審議会で審議される。

■変形性関節症治療薬ジョイクルは継続審議


一方で、生化学工業が承認申請した変形性関節症治療薬ジョイクル関節注は継続審議となった。同剤は関節腔内投与用の注射薬で、有効成分として、ヒアルロン酸にNSAIDsのジクロフェナクを共有結合させたジクロフェナクエタルヒアルロン酸ナトリウムを含有する。新医療用配合薬ではなく、新有効成分含有医薬品として承認申請された。

同省によると、この日の部会の委員から、既承認のNSAIDsを内服してヒアルロン酸を注射することと今回の新薬とで何が違うのかといった臨床的位置づけや、変形性関節症のどの部位までを効能・効果の範囲とするかなど、多岐にわたる疑義が示されたという。今後、論点を整理し、回答の準備ができ次第、同部会で再度審議する。

【承認することが了承された審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

オルミエント錠2mg、同錠4mg(バリシチニブ、日本イーライリリー):「既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎」を効能・効果とする新効能医薬品。再審査期間は残余期間(2025年7月2日)。最適使用推進GL作成対象医薬品。

選択的JAK1及びJAK2阻害薬。JAK依存性サイトカインは多くの炎症性及び自己免疫疾患の病因と関連していることが示唆されており、JAK阻害の作用により効果を発揮すると考えられている。

アトピーの適応を持つJAK阻害薬に、外用剤のコレクチム軟膏がある。ただ、厚労省は、「オルミエントは外用JAK阻害薬(=コレクチム)とは基本的に臨床的な位置づけが違う」とし、オルミエントはステロイド剤やコレクチムで効果不十分な場合の治療選択肢になると説明。アトピーに対する抗体製剤のデュピクセント皮下注と同様の位置づけになるとしている。

海外では20年9月現在、アトピーの適応で承認されている国・地域はない。

ヌーイック静注用250、同静注用500、同静注用1000、同静注用2000、同静注用2500、同静注用3000、同静注用4000(シモクトコグ アルファ(遺伝子組換え)、藤本製薬):「血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。

ヒト胎児由来腎細胞(HEK293F細胞)を用いて製造されるBドメイン除去型の遺伝子組換え血液凝固第VIII因子製剤。海外では20年9月現在、50以上の国・地域で承認済。

リンスパッド点滴静注用1000mg(乾燥濃縮人α1-プロテイナーゼインヒビター、Grifols Therapeutics LLC):「重症α1-アンチトリプシン欠乏症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。ヒト血液由来の血漿分画製剤。再審査期間は10年。

ヒト血漿から精製されたα1-プロテイナーゼインヒビターの凍結乾燥製剤。α1-アンチトリプシン(AAT)欠乏症患者に対する補充療法への使用を目的として開発された。

AAT欠乏症は、AATの欠乏により、若年性に慢性閉塞性肺疾患(COPD)を発症する遺伝性疾患。主な症状は労作時呼吸困難や慢性の咳嗽・喀痰で、進行すると労作時呼吸困難の程度が悪化し、酸素吸入、人工呼吸管理が必要になる。

海外では20年1月現在、10か国で承認済。

ガーダシル水性懸濁筋注シリンジ(組換え沈降4価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(酵母由来)、MSD):「ヒトパピローマウイルス6、11、16、18型の感染に起因する肛門がん(扁平上皮がん)及びその前駆病変(肛門上皮内腫瘍1、2、3)の予防」を効能・効果とする新効能医薬品。また、用法・用量の「9歳以上の女性に」との部分を「9歳以上の者に」に修正し、男性にも使えるようにする。再審査期間は4年。

4種類のHPV型(6、11、16、18型)のL1タンパク質VLPを有効成分とし、アデュバントとしてアルミニウムヒドロキシホスフェイト硫酸塩を含む4価HPVワクチン。同剤を接種することで、HPV6、11、16、18型L1VLPに対する中和抗体が誘導される。

正式承認されると、女性は4種類のHPV型(6、11、16、18型)に起因する▽子宮頸がん及びその前駆病変▽外陰上皮内腫瘍及び膣上皮内腫瘍▽肛門がん及びその前駆病変▽尖圭コンジローマ――の予防に使えるようになる。男性は4種類のHPV型に起因する▽肛門がん及びその前駆病変▽尖圭コンジローマ――の予防に使えるようになる。

男女ともに3回接種で用いる。男性適応も定期接種となるかどうかは厚労省の厚生科学審議会で議論される。肛門がん及び尖圭コンジローマの主要な原因は、男女ともに、HPVによる感染にあるとされている。肛門がんではHPV16型に次いで18型が多く検出され、尖圭コンジローマではHPV6及び11型が多く検出されている。

海外では20年8月現在、131の国・地域で承認され、このうち男性適応は102の国・地域で承認済。

アルンブリグ錠30mg、同錠90mg(ブリグチニブ、武田薬品):「ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。

ALKを選択的に阻害する次世代チロシンキナーゼ阻害薬(ALK-TKI)。ALK融合遺伝子陽性の腫瘍に対して、ALKのリン酸化を阻害することで、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。同剤はALK陽性の非小細胞肺がんの1次治療に使える。

海外では20年8月時点で、ALK-TKIによる治療歴のないALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに関する効能・効果で34の国・地域で承認済。

リムパーザ錠100mg、同錠150mg(オラパリブ、アストラゼネカ):「BRCA遺伝子変異陽性の治癒切除不能な膵がんにおける白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の維持療法」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

ファーストインクラスのPARP(ポリアデノシン5’二リン酸リボースポリメラーゼ)阻害薬。DNA損傷応答(DDR)経路に異常をきたしたがん細胞に特異的に作用し、細胞死を誘導する。

今回追加する膵がんの対象患者は、白金系抗がん剤を含む一次化学療法後、疾患進行が認められない乳がん感受性遺伝子(BRCA遺伝子)変異陽性の遠隔転移を有する膵がん患者で、この患者に対して現在推奨されている標準的な治療はない。

海外では、今回追加する適応について、米国で19年12月に、EUで20年7月に承認済。

マブキャンパス点滴静注30mg(アレムツズマブ(遺伝子組換え)、サノフィ):「同種造血幹細胞移植の前治療」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

ヒト化抗CD52モノクローナル抗体。慢性リンパ性白血病細胞やヒト免疫細胞(B細胞、T細胞、NK細胞など)の細胞膜に発現するCD52と結合し、抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性及び補体依存性細胞傷害(CDC)活性を誘導することにより、これらの細胞に対して増殖抑制作用を示すと考えられている。

同種造血幹細胞移植(HSCT)の18年の件数は3642件であることから、追加適応の患者数は約3600人と推定される。海外では20年9月現在、同種HSCTの前治療に係る効能・効果で承認されている国・地域はない。

■ヒュミラで2剤目のバイオシミラー登場へ

【報告品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

テセントリク点滴静注1200mg(アテゾリズマブ(遺伝子組換え)、中外製薬):「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とする新用量医薬品。再審査期間は残余期間(2026年1月18日)。

がん免疫療法に用いる改変型抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体。今回、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)に対して、PD-L1陽性の場合、単剤による1次治療を可能にする。類薬の抗PD-1抗体キイトルーダと同様の位置づけとなる。なお、テセントリクは現在、扁平上皮がんを除く切除不能な進行・再発のNSCLCに対し、カルボプラチン、パクリタキセル及びベバシズマブ(遺伝子組換え)と併用して1次治療に使える。

海外では、化学療法歴のないPD-L1陽性の切除不能な進行・再発のNSCLCに係る単剤投与について、米国で20年5月に承認済。

リムパーザ錠100mg、同錠150mg(オラパリブ、アストラゼネカ):「相同組換え修復欠損を有する卵巣がんにおけるベバシズマブ(遺伝子組換え)を含む初回化学療法後の維持療法」「BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余期間(2026年1月18日まで)。

ファーストインクラスのPARP(ポリアデノシン5’二リン酸リボースポリメラーゼ)阻害薬。今回、初回化学療法による奏効が維持されている相同組換え修復欠損を有する卵巣がんに対し、ベバシズマブと併用してリムパーザを使用できるようにする。卵巣がんの総患者数約2万5000人の約半数が相同組換え修復欠損を有するとされている。今回、去勢抵抗性前立腺がんの適応も追加する。

海外では、今回追加する2つの適応とも、米国で20年5月に承認済。

アダリムマブBS皮下注20mgシリンジ0.4mL「第一三共」、同皮下注40mgシリンジ0.8mL、同皮下注40mgペン0.8mL(アダリムマブ(遺伝子組換え)[アダリムマブ後続2]、第一三共):「関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)、既存治療で効果不十分な▽尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬▽強直性脊椎炎▽多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎▽腸管型ベーチェット病」を効能・効果とするバイオ後続品。再審査期間なし。

ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤ヒュミラで2剤目のバイオ後続品。海外では米国を含む50以上の国・地域で承認済。

リツキサン点滴静注100mg、同点滴静注150mg(リツキシマブ(遺伝子組換え)、全薬工業):「CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫等」を効能・効果とする新用量医薬品。再審査期間なし。希少疾病用医薬品。厚労省の未承認薬・適応外薬検討会議開発要請品目。

抗CD20モノクローナル抗体。現在、同剤は用時生理食塩液または5%ブドウ糖注射液にて10倍に希釈調整して使用するが、この希釈方法について今回、「10倍」の部分を削除して、「1~4mg/mL」にする。この希釈濃度の変更により、90分間投与を可能にする。

海外では20年8月時点で、90分間投与は米国を含む20以上の国・地域で、希釈濃度(1~4mg/mL)は欧米を含む90以上の国・地域で承認済。
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