東和薬品 製造管理や品質管理の取り組みを公表 経営幹部の役割や社員の教育方針を明示
公開日時 2021/01/25 04:49
東和薬品は1月21日、製造管理や品質管理のための取り組みを公表した。GMP遵守に向けた教育研修や監査体制の構築、経営幹部との情報共有などの項目からなる。小林化工のイトラコナゾールに睡眠薬が混入した問題などを踏まえ、「ジェネリック医薬品全体の信頼を揺るがしかねない状況であると認識している」と強調。この機会に改めて製造管理や品質管理を徹底する姿勢を示している。
同社は、GMPの三原則(①人為的な誤りを最小限にすること、②医薬品の汚染及び品質 低下を防止すること 、③高い品質を保証するシステムを設計すること)を遵守する必要性を強調。手順の設定や継続的な教育訓練を行っているとした。具体的には、製造部門や技術部門の関係者に薬事的要求事項を含む独自に記載されたマニュアルを作成し、承認書の記載内容どおり製造することの重要性を理解させるよう、徹底しているという。
◎通常の教育訓練以外に独自の制度を導入 スペシャリスト育成に注力
通常の教育訓練に加え、独自のGMP・技術に関してより高い知識を持つ者をエキスパートとして 認定する独自の制度を導入。各分野におけるスペシャリストを育成し、製造管理や品質管理を行える仕組みの構築とともに、品質確保に高い意識を持つ社員の醸成を推進している。
◎経営幹部は各製造所の定期報告会に参画 現場確認も実施
製造販売業者の責務を果たすため、経営幹部(代表取締役、専務、生産本部長)は各製造所における定期報告会に参画し、現場確認も行っているという。製造販売業三役(総括製造販売責任者、安全管理責 任者、品質保証責任者)は毎月実施する三役会議で、 製造所から品質保証責任者を通して情報共有を行い、 指示ができる体制としているという。品質保証部門を中心として、現場から経営幹部まで遅滞なく情報が共有される仕組みを構築しているという。
◎PIC/S GMP、ICH・GL取り入れ、人為的な誤りを排除できる体制構築
このほか、国際的基準である PIC/S GMP、ICH ガイドラインを取り入れ、人為的な誤りをより排除できる体制を構築しているほか、人為的な誤りを最小限に抑えることを目的に MESやLIMSなどの製造実行管理・試験業務管理のシステムを導入しているという。
同社は、「2021年にGMP 省令改正が予定されており、製造管理において継続的改善が求められる法令整備が進められている」として、「今後も患者様および医療関係者の方々が安心して当社のジェネリック医薬品を使用頂けるよう、引き続き適切な製造管理・品質管理を行って参ります」と強調した。