MSD MRSA感染症治療薬キュビシン 小児適応の追加を一変申請
公開日時 2021/01/28 04:50
MSDは1月27日、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症治療薬・キュビシン静注用350mg(一般名:ダプトマイシン)について、小児適応を追加する一変申請を行ったと発表した。日本では現在、ダプトマイシンに感性のMRSAを適応菌種として、成人の敗血症や感染性心内膜炎、深在性皮膚感染症などの適応で使用されている。
キュビシンは環状リポペプチド系抗生物質。グラム陽性球菌の細胞膜に結合し、細胞機能不全を引き起こして細菌を死滅させる他の抗MRSA薬とは異なる作用機序で、MRSAに対して有効性を示す。治療薬物モニタリング(TDM)を行なう必要がなく、1日1回の点滴静注で利便性が高い。
同社は、「敗血症及び複雑性皮膚軟部組織感染症の抗MRSA薬として、国内の小児患者に対する新たな治療選択肢になり得ると考えている」としている。今回の一変申請は、国内外の1歳以上17歳以下の小児患者を対象とした臨床試験データに基づく。
海外では20年8月現在、小児に対して、グラム陽性球菌による複雑性皮膚軟部組織感染症又は黄色ブドウ球菌による血流感染(菌血症)に対する治療薬として、米国やEUなど50以上の国・地域で承認されている。