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バベンチオ維持療法は尿路上皮がん治療の新たな選択肢 メルクバイオファーマとファイザーセミナー

公開日時 2021/04/06 04:49
メルクバイオファーマとファイザーは3月31日、「尿路上皮がんに新たな治療選択肢」をテーマにオンラインプレスセミナーを開催した。両社が共同開発・販売しているPD-L1 抗体「バベンチオ(一般名:アベルマブ(遺伝子組換え))」が2月に「根治切除不能な尿路上皮がんにおける化学療法後の維持療法」の治療薬として適応追加されたのを受け、尿路上皮がんの診断、治療の現状や今後の展望を広く伝えるのが狙いだ。

◎6コース以上施行しても延命効果ない従来の一次治療

尿路上皮がんは腎臓の中にある腎盂から、尿管、膀胱、尿道の一部へつながる尿の通り道の内側の尿路上皮に発生するがんの総称で、約90%は膀胱、約10%は腎盂や尿管などに発生し、圧倒的に膀胱がんが多い。世界では転移性膀胱がんの5年生存率は5.5%と極めて低く、これまで効果的な治療薬が見つからなかったため、過去20年以上、一次治療に変化がない。しかし、近年の免疫チェックポイント阻害薬の登場などにより、生存率の改善が期待されている。

最初に登壇した山口大大学院医学系研究科医学専攻泌尿器科学講座教授の松山豪泰氏は、これまでの尿路上皮がん治療をテーマに講演した。転移のあるステージⅣの上皮尿路がん(膀胱がん、腎盂・尿管がん)は薬物治療が基本となり、1次治療としてGC療法(ゲムシタビン+シスプラチン)、腎機能障害がある場合はGCalbo療法(ゲムシタビン+カルボプラチン)が使われている。松山氏は「これらの初期の奏効率は非常に高いが、その後進行がみられ、効果を持続させることがアンメットニーズになっていた」と既存治療の課題を指摘。その裏づけとして、GC療法やGCarbo療法を6コース以上施行してもOS延長効果が示されないという臨床研究のデータを示した。

そのうえで、「一次治療は長い間、変化がなく、早期に二次治療に移らざるを得ない方が多いのが現状だった」と松山氏は振り返り、2月に適応追加されたバベンチオ維持療法に期待を寄せた。なお、一次治療後に再発や進行がみられた場合は、二次治療として免疫チェックポイント阻害薬のキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)が強く推奨されている。

◎一次治療の効果持続させるバベンチオ維持療法


続いて、慶應義塾大医学部 泌尿器科学教室教授の大家基嗣氏が、バベンチオ維持療法について解説した。前述のとおり尿路上皮がんの一次治療は長期間、投与しても効果は変わらないため、GC療法などは6コース以内にとどめ、がんが増大した場合は二次治療、効果が持続している場合は、症状の除去・緩和などが中心となるベストサポートケア(BSC)にとどめていた。大家氏は、「後者の患者さんへの新たな選択肢として、一次治療の効果を時速させるベンチオ維持療法が登場した。これまでにない治療概念であり、非常に大きなインパクトがある」と評価した。

実際、臨床試験の結果では、OS(全生存期間)の中央値が、バベンチオ維持療法+BSC群(21.4カ月)が、BSC群(14.3カ月)を7カ月上回り、一次治療と合わせて同療法が顕著な延命効果を得られることが明らかになった。「これまで一次治療の効果のある患者さんには積極的な治療を行ってこなかったが、バベンチオ維持療法によるステージ4のQS中央時は1年から1年半だったのが、2年以上になることが期待される」と大家氏は述べ、将来的には化学療法+免疫チェックポイント阻害薬の併用による、さらなる治療効果を生み出す可能性があることを示唆した。


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