田辺三菱製薬、第一三共、サンファーマは４月15日、２型糖尿病治療薬テネリアと筋緊張緩和剤テルネリンについて、販売名類似による取り違えが起こっているとして、注意喚起した。2012年に同様の注意喚起をしたが、その後も取り違えが23件報告されている。

３社は、医療関係者に対し、処方または調剤する際にいま一度、患者の病歴、薬歴（糖尿病治療薬の有無）、処方内容（薬効、薬剤名、用法・用量など）を確認してもらいたいとしている。処方オーダリングシステムを利用している場合は、薬剤名の前に薬効を表示するなどの防止策をとってほしいとし、例えば、「〈糖尿病治療剤〉テネリア」、「〈筋緊張緩和剤〉テルネリン」といった表示を提案した。

ヒヤリ・ハット事例としては、新規患者の処方せん内容がテネリアの処方だったが、薬局の初回患者の聞き取りにて持病に糖尿病がないことを確認したため、薬剤間違いの可能性があると判断して処方元に疑義照会した。結果、処方元の処方せん発行時の薬剤選択の誤入力であることが判明した。また、薬局で処方入力時に、処方せんテネリア20mg１錠１日１回夕食後14日分を、テルネリン１mg１錠１日１回夕食後14日分と入力。調剤、鑑査、投薬で気付かず、患者に投薬してしまった事例もあった。

テネリアの製造販売元は田辺三菱製薬、販売は第一三共。テルネリンの製造販売元はサンファーマで、販売は田辺三菱製薬。