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日医工・田村社長 自主回収費用22億円計上「大きな回収手数料」 最終赤字で役員報酬減俸も

公開日時 2021/05/19 04:53
日医工の田村友一代表取締役社長は5月18日、決算会見に臨み、2021年3月期の最終損益が41億7900万円の赤字になったと報告した。相次ぐ自主回収で膨らんだ費用が業績に響いた。21年3月期決算には自主回収費用として21億5800万円を織り込んだ。この内訳について田村社長は、製品の回収、破棄、医薬品卸への手数料、法律事務所への調査手数料を計上していると説明。「弁護士費用を除き、ほぼ回収した品目と手数料はほぼ同額。卸として費用が足りないという指摘もあると思うが、当社としては大きな回収手数料を見込んでいる」と理解を求めた。

◎田村社長は月額報酬50%減俸 7月から 業績回復へ「責任を持って取り組む」

同社の2021年3月期決算は、売上高は前年度比1.0%減の1882億円。営業利益は96.3%減の1億700万円。最終損益は23年ぶりの赤字に陥った。田村社長が就任して初めてという。相次ぐ自主回収によるコストが響いた。これに加え、エルメッドが製造販売元で、無形固定資産として計上していた降圧薬・アムロジピン、高脂血症治療薬・アトルバスタチンの2剤は、小林化工に製造委託をしていた。2製品はシェア、売上ともに大きく、小林化工が生産を一時中止、休止したことに伴って、2製品の減損として10億円を計上した。こうした状況下で、株主配当も引き下げた。

田村社長は会見で、経営責任を取り、7月から田村社長が月額報酬50%、常勤取締役が30%、各本部長を含む上席執行役員が10%の減俸を行うと発表した。経営陣は、富山県からの行政処分を受けて、3月に田村社長が月額報酬100%を3か月間減俸とするなど、処分を行っており、再度の減俸となる。減俸の期間は、「業績の回復が見込まれる時点まで、役員報酬の減額を続ける」との考えも示した。

田村社長は、「責任を非常に重く受け止めている。21年3月期は回収を含めて一過性の利益と、一過性の損失が重なった結果と受け止めている。今後は、業績回復に向けて私自身が責任をもって、取締役、上席執行役員が取り組んでいく」と話した。

◎富山第一工場のリスク評価で150億円、小林化工に委託74製品で100億円の減損見込む


2022年3月期は売上高3.6%増の1950億円を計画する。武田テバから買収した岐阜工場が通期で稼働することに期待を寄せ、400億円を見込む。

一方で、同社は、富山県から行政処分を受けた富山第一工場で製造する343全品目を対象に、品質リスク評価を進めており、現在も供給遅延リスクのある状況が続いている。同社は富山第一工場の全品目については5月末日までに調査を進め、他工場(愛知・静岡・埼玉・山形・ヤクハン)についても6月末までにリスク評価を実施する考え。

調査結果を踏まえた工場の本格稼働は7月を想定し、約150億円のマイナス要因として織り込んだ。田村社長は、「早い時期の供給再開に向け現在リスク評価を行っている。当初の予定よりは早まっており、生産開始の時期も早まるものと考えている。行政とのやり取りも単品ごとではなく、全体的な許諾に移行しつつあり、供給の再開は早いと受け止めている」との見方を示した。

また、小林化工に製造委託する74品目については、「販売の予定は立っていない」として、マイナス要因として100億円を織り込んだ。

◎22年3月期は自主回収費用織り込まず「回収するような製品は一切、販売、出荷しない」

同社は2月に承認を取得した4成分10製品について、6月の追補収載を見送った。22年3月期の売上高にも、今年の6月、12月収載分の製品の売上高は含めていない。田村社長は、「非常に残念ではあったが、まずは現在の供給遅延品、欠品のリスク回避を最優先すべきとの判断から6月の追補収載を見送った」と改めて説明。6月追補にはアステラス製薬の過活動暴行治療薬・ベシケアのAGも含まれていたが、「発売の延期についてご理解いただいている」とも述べた。22年3月期には自主回収などの費用も織り込んでおらず、「回収するような品目は一切、販売、出荷いたしません」と強調した。

全社をあげて製造管理体制、品質管理体制に取り組む同社。GMP遵守の強化や、製造販売業者として各製造所の監査の徹底などの取り組みを進める。田村社長は取り組みを着実に進める考えを強調した。そのうえで、武田テバから買収した岐阜工場の有する「品質改善、製造管理体制のシステムを取りくむことで当社単独ではなく彼らの今までの持っている経験、そしてテバのグローバルな品質管理体制を取り入れることで、当社としてもスピードアップできるものと考えている」との考えを示した。特に、岐阜工場が武田テバ時代に有していたグローバルポリシーや品質ポリシーから学ぶ必要性を強調。「当社としてもそれらを見習い、現在の国内の工場とSagent社の工場でグローバルなポリシーを作成することが可能になるし、進めていくところだ」と述べた。

このほか、米国で新型コロナ治療薬として開発を進めるカモスタットメシル酸塩については、2本の臨床第2相試験が終了したと説明。高リスク外来患者を対象とした臨床試験「CAMELOT」については、総括報告書が6月中旬から末までには入手できる予定とした。NIAID(米国国立アレルギー・感染症研究所)の支援によって実施されている臨床試験「ACTIV-2」についてはデータ解析が進められており、7月中にも総括報告書を入手する予定。


【20年度連結業績(前年同期比) 21年度予想(前年同期比)】
売上高 1882億1800万円(1.0%減) 1950億円(3.6%増)
営業利益 1億700万円(96.3%減) ―(―)
親会社帰属純利益 ▲41億7900万円(―) ―(―)

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