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塩野義製薬 平安塩野義が代謝性疾患のRWD収集・解析研究で平安健康と提携 IT活用の研究基盤確立

公開日時 2021/07/01 04:51
塩野義製薬は6月30日、中国平安保険との合弁会社である平安塩野義が、代謝性疾患の患者を対象としたリアルワールドデータ(RWD)の収集・解析研究で平安健康医療科技有限公司(平安健康)と業務提携したと発表した。RWDの収集・解析研究は、平安塩野義が販売する複数薬剤と、平安健康のオンライン医療プラットフォーム「Ping An Good Doctor」を活用する。薬剤の処方に際し、患者同意を前提にウェアラブルデバイスとスマートフォンアプリを提供。モニタリングしたデータを解析し、併存疾患の早期発見や治療、最適な医療サービスの提供などに貢献する。

◎ウェアラブルデバイスと対応アプリで各種パラメータをモニタリング

平安健康とのRWD研究は、オンライン医療プラットフォーム「Ping An Good Doctor」(ピンアン・グッドドクター)で受診する代謝性疾患の患者1000人について、ウェアラブルデバイスと対応アプリを使って日常生活における各種パラメータ(服薬履歴や睡眠・活動量・精神状態・認知機能など)をモニタリングするというもの。得られたデータを解析することで、服薬率の変化と、それによるQOLの関連性など多様なパラメータ間の相関を見出し、新薬や新たなヘルスケアサービスにつながるコンセプトを創出する。

◎データドリブン創薬を加速する重要な取り組み

平安健康は、研究用アプリの開発や運営、患者のヘルスケアデータ収集、管理などの業務を請け負う。一方、平安塩野義は、患者の服薬アドヒアランスの向上、収集データを活用した併存疾患などの早期発見および治療、最適な医療サービスの提供などに貢献したい考え。

同社によると、「本研究は平安塩野義の研究開発コンセプトに掲げるデータドリブン創薬を加速するための重要な取り組みの一つとなる」としており、まず代謝性疾患でデータ解析の基盤を構築し、次に認知症やうつ病など塩野義製薬の重点領域である精神・神経疾患に展開する方針だ。また、「平安グループのAI技術を組み合わせながら臨床研究を継続することで、ヘルスケアデータを駆使した新しい医薬品またはサービスの創出に取り組みたい」としている。なお、研究で収集したデータは、匿名化の上で加工し、厳重に管理されるため、中国の国外に持ち出されることは無いとしている。

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