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中医協 22年度診療報酬改定へキックオフ 早くも基本診療料めぐり火花も かかりつけ医が論点

公開日時 2021/07/08 04:51
中医協は7月7日総会を開き、2022年度診療報酬改定に向けた議論を開始した。診療側の城守国斗委員(日本医師会常任理事)は、新型コロナウイルス感染症の医療現場への影響を踏まえ、感染症対策を含める形で基本診療料の引上げや特例措置の“恒久化”を訴えた。これに対し、支払側の幸野庄司(健康保険組合連合会理事)は「明確に反対する」と真っ向から反対。「医療機関の減収補填を診療報酬で対応することはあってはならない」と強調した。議論のキックオフ早々、早くも診療・支払各側の火花が散った。この日の中医協では2022年度改定の論点となることが想定される、かかりつけ医機能やオンライン診療の議論もなされた。

コロナ禍で医療現場が打撃を受けている。「医療費は約1.3兆円減少し、本来伸びるはずの医療費より2.1兆円の減少となっている」(城守委員)のが現状だ。こうしたなかで、診療報酬上の特例的な措置や、人員配置の経過措置の延長など様々な対応がなされてきた。象徴的なのが、感染対策を講じることで、特例的に算定できる「医科外来等感染対策実施加算」や「入院感染症実施対策加算」だ。初・再診で1回当たり5点、入院では入院料によらず、1日あたり10点などが基本診療料に上乗せして算定できる。6歳未満の乳幼児への外来診療に対しては、医科で100点などを9月末まで算定できる。

◎診療側・城守委員 コロナ禍での診療報酬上の特例措置 感染症対策として恒久化も

城守委員は、「たとえ近い将来コロナが終息したとしても、医療機関は物的・人的、時間的費用を費やして感染対策を万全にしていくことを考慮すると、基本的な診療行為の費用は当然ながら継続すべきであり、基本診療料に包括して評価していくことも検討すべき」と主張した。また、コロナ禍での診療報酬上の特例措置についても、「コロナ禍における診療報酬上の対応として中心的な役割を果たしてきている。今後の感染症対策として恒久化していくことも検討すべき」と主張した。

◎支払側・幸野委員「減収補填を診療報酬で対応することはあってはならない」


これに対し、支払側の幸野委員は、これらの点数が中医協で全く議論されていない点を問題視し、「エビデンスを蓄積して議論していくべきだ」と述べた。また、政府が減収の医療機関への対応や病床確保などについて、診療報酬だけでなく、補助金や交付金を活用する方針を示すなかで、「病床確保や減収補填など診療行為が発生しない部分については補助金や交付金で対応し、コロナ患者を受け入れた場合は診療報酬で対応していくべきだ。これは診療報酬の大原則だ」と述べた。「減収補填を診療報酬で対応することはあってはならない。絶対否定しておきたい」と強調した。「コロナに対する対処療法を積み上げるのではなく、医療機能の分化・強化。連携を推進することがパンデミックへの対応にもなる。医療機能をどう分化、強化連携するかを議論することが必要だ」とも述べた。

城守委員は、診療報酬には「医療機関の運営を安定化させることで、地域医療提供体制を維持していくという大きな役割が同時にある。点数設計そのものに対しての補填という考え方ではなく、役割を考えれば決しておかしいというものではない」と理解を求めた。診療側の松本吉郎委員(日本医師会常任理事)は、「現在の基本診療料のみでは地域医療提供体制が維持しがたいという現実があってのこと」と理解を求めた。

一方、幸野委員は、「診療報酬は診療行為を受けた患者に対する対価という大原則は変えるべきではない。減収分を診療報酬で補填するという考え方に変えるであれば、増収になった時にどうするのかという議論も出てくる。ほとんどの医療機関が増収になった場合、1点単価10円をどうするのか。そういう議論にまで発展しないといけない」と牽制。特例措置についても、「しっかりエビデンスを出してもらった上で議論していくべきだ」と述べた。

◎各側がかかりつけ医推進の重要性に言及 支払側は“患者視点”を強調


この日は、かかりつけ医機能やオンライン診療も議論がなされた。支払側の幸野委員は、「かかりつけ医をどうしていくかが最大の論点だ」との見解を示した。診療・支払各側ともにかかりつけ医推進の重要性に言及した。支払側は“患者視点”の重要性を強調。幸野委員は、「いわゆるゲートキーパー的な機能を患者は求めている。特定の領域に偏らず、幅広い疾患をまずは診療できるという医師と患者が1対1の関係でしっかりした関係を構築し、安心、安全で質の高い医療を提供できる場合に評価するような医療費の配分を次期改定でぜひ行っていくべき」と述べた。そのうえで、現時点ではかかりつけ医機能を評価した点数の普及が十分ではない理由として、「国民目線が欠けている」と指摘。特に、2018年度診療報酬改定で新設された“機能強化加算”を「典型的な例」と問題視した。幸野委員は、「ゼロベースに戻ってこれまで構築されてきた物を抜本的に再構築すべきだ」と強調した。

◎診療側 財務省の提案する「かかりつけ医の制度化」は「明確に反対」


一方、診療側の城守委員は、かかりつけ医機能については「医療情報ネット等でわかるようにしていけばよいのでは」と述べた。財務省などが提案する、かかりつけ医の制度化については、「フリーアクセスということは担保されるべき。日本医師会としては明確に反対させていただく」と述べた。

◎オンライン診療 診療側は“対面診療が原則”

オンライン診療については、診療側の城守委員は、“対面診療が原則”であることを改めて強調。「国が国民にかかりつけ医をもつことを進めていることから、オンライン診療も当然、それに寄り添った仕組みとなるべき」と述べた。かかりつけ医以外が初診からオンライン診療を行う場合には、「かかりつけ医から提供された診療録や診療情報提供書などに基づき、医学的見地から対面診療と同等の患者情報が得られたと判断される場合にのみ認められるべき」との見解を示した。

◎支払側・間宮委員「患者の受診機会を拡げる意味で進めて欲しい」

一方、支払側の間宮清委員(日本労働組合総連合会「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)は、「対面への誘導という意味ではオンライン診療は非常に有効ではないか。患者が受診する機会を拡げるという意味で進めていってほしい」と述べた。間宮委員は、オンライン診療の実施できるかを医師個人が判断している状況にも触れ、難病患者などでは医療機関へのアクセスが難しいことから「患者にとっては不公平だと思うようなことはある。対応できない理由を明確にすることも必要ではないか」と述べた。支払側の安藤伸樹委員(全国健康保険協会理事長)は、「テクノロジーが発達し、IT技術を活用してオンライン診療が可能になってきた。患者さんが医療を受ける門戸を狭めない形にしていただきたい」と述べた。

このほか、診療・支払各側ともに、オンライン診療の“ビジネス利用”には否定的な見方で一致した。
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