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アデュカヌマブの迅速承認で米保健福祉省監察総監室が調査を開始 迅速承認活用の理由も対象に

公開日時 2021/08/06 04:51
米保健福祉省(HHS)の監察総監室は8月4日、アルツハイマー病治療薬アデュカヌマブ(米国製品名:Aduhelm)について迅速承認のプロセスについて調査を開始すると発表した。同剤はエーザイとバイオジェンが共同開発した。バイオジェンと米FDAとの密接な関係が指摘されるなかで、同社とのやり取りを含めて調査する。また、FDAが迅速承認というカテゴリーを活用するに至った理由やサイエンス上の議論も対象とするとしている。

同剤は6月7日に迅速承認された。ただ、昨年11月に開かれたFDAの末梢・中枢神経系薬物諮問委員会ではエビデンスが不十分との専門家の見解が大半を占めていた。迅速承認後に、諮問委員会の委員のうち、3人が委員を辞任するなどの事態に発展。FDAとバイオジェンとの関連性についての疑念の声も米議会などであがった。これを受け、米FDAのJanet Woodcock長官代理が、HHSのChristi Grimm監察総監代理に審査プロセスを明らかにすることを求めており、これに応えた形となった。

監査総監室は、諮問委の反対があったことや、FDA内でサイエンスの議論に発展したこと、米FDAと製薬業界との不適切な関係などに加え、FDAがなぜ迅速承認というフレームを活用したかについても問題意識を示した。迅速承認については同剤を含め、承認された医薬品に基づき、適切な知見や勧告などを示す考えも示している。ただ、サイエンスの面からの妥当性については「評価しない」としている。

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