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2022年度診療報酬改定 リフィル処方箋導入で継続的な薬学管理を 上限は3回に

公開日時 2022/01/27 06:00
中医協総会は1月26日、2022年度診療報酬改定においてリフィル処方箋の導入について了承した。処方箋様式を変更し、「リフィル可」欄に医師がレ点を記入することで、リフィル処方が可能になる。リフィル処方箋の総使用回数の上限は3回までとし、新薬や麻薬、向精神薬、湿布薬などは投与できない。調剤する薬剤師には、次回の調剤予定を確認することや、服薬状況から調剤をすることが不適切と判断した場合は受診勧奨を行うとともに処方医に情報提供することも求めた。地域包括ケアシステムのなかで、継続的な薬学管理を行う薬剤師の職能発揮を大きく後押しすることになりそうだ。あわせて、処方箋料については、長期投薬に係る減算規定を適用しないこととするとした。

リフィル処方箋をめぐっては、昨年末の後藤厚労相と鈴木財務相の大臣折衝で、2022年度診療報酬改定に導入されることが決定された。厚労省はこの日の中医協に、「症状が安定している患者について、医師の処方により、医師及び薬剤師の適切な連携の下、一定期間内に処方箋を反復利用できるリフィル処方箋の仕組みを設ける」として提案した。

医師が、リフィルによる処方が可能と判断した場合は、処方箋の「リフィル可」欄にレ点を記入する。リフィル処方箋の総使用回数の上限は3回までとする。投与できない薬剤としては、「保険医療機関及び保険医療養担当規則において、投薬量に限度が定められている医薬品及び湿布薬」としており、新薬や麻薬、向精神薬、湿布薬などが該当する。2回目以降の調剤については、原則として、前回の調剤日を起点とし、投薬期間を経過する日を次回調剤予定日とし、その前後7日以内に調剤することを求める。

薬局薬剤師には、患者の服薬状況などの確認を行い、リフィル処方箋により調剤することが不適切と判断した場合には、調剤を行わず、受診勧奨を行うとともに、処方医に速やかに情報提供を行うことを求めた。また、調剤した内容や患者の服薬状況などについて必要に応じ処方医へ情報提供を行うこととしている。

患者については次回来局の予定を確認するほか、患者に対して継続的な薬学的管理指導のため、同一の保険薬局で調剤を受けるべきである旨を説明することとした。

◎支払側・松本委員「患者、医療機関双方にメリット」


支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は、「新薬や麻薬、向精神薬、湿布薬を除いては特段の制限を設けず、医師が判断して繰り返し使用できる処方箋を発行し場合、長期処方による減算を受けないということで、患者、医療機関双方にメリットがある」との見解を表明。そのうえで、上限が3回と定められていることについて、「分割調剤を引きずっているのかという印象を持っている。まずは実効性を高める観点から、通知や事務連絡を含めてこれ以上の制限をかけずにスタートし、医療現場と患者の認知度を高めながら、活用が広がることに期待している」と述べた。

◎診療側・城守委員「慎重に、そして丁寧に」 患者、医師の行動「これまでと異なる可能性も」


一方、診療側の城守国斗委員(日本医師会常任理事)は、「患者にとって適切な治療が行われることに十分配慮した運用が現場でなされることを期待している」と述べた。そのうえで、「長期処方にはリスクがあるし、不適切な長期処方は是正が必要だ。そのために定期的に患者さんを診察し、医学的管理を行うことが安心・安全で質の高い医療であると考えるし、実際に過度な長期処方、医学的根拠が問われかねないというために、日数制限がないと言っても、医師は無制限には処方は行わないのが現実だ」と改めて主張した。

そのうえで、「しかし今回、リフィル処方箋という新しい仕組みができることによって、医師や患者さんの対応がこれまでと異なる可能性もある。新しい仕組みを導入する際には患者さんの健康に大いにかかわるということで、慎重の上にも慎重に、そして丁寧に始めることが望ましい」と述べた。

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