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NPhA・首藤会長 22年度調剤報酬改定のリフィル処方導入「医薬分業の本質を突き詰める入口に立った」

公開日時 2022/02/14 04:53
日本保険薬局協会(NPhA)の首藤正一会長は2月10日の会見で、2022年度調剤報酬改定で導入されたリフィル処方箋について、「リフィルという名前が報酬上にのっただけでも、医薬分業の本質を突き詰めていくための入り口に差しかかったものと評価している」と述べた。特にこれまでの分割調剤とは異なる形で導入されたことを強調し、「医療機関と薬局、薬剤師、患者が連携を深めていきながら、評価をいただいて、内容をもっと踏み込んだものにしていける。薬局にも薬剤師にも期待をしている」と述べた。

◎「国民医療・地域包括ケアの重要なプレーヤーとして存在感を増すように努力する」

首藤会長は22年度調剤報酬改定でリフィル処方箋のほか、オンライン服薬指導の要件緩和、調剤料及び薬剤服薬管理指導料の再構成など、「薬機法の改正の流れをさらに進めて、今後の保険薬局の在り方に大きな影響を与える事項も少なくない」との見解を示した。そのうえで、「これらの施策の流れに沿って、会員が設置する保険薬局が、国民医療・地域包括ケアの重要なプレーヤーとしての存在感を増していけるよう、協会活動の活性化にさらに努力する」と述べた。

リフィル処方箋については22年度改定で、「症状が安定している患者について、医師の処方により、医師及び薬剤師の適切な連携の下、一定期間内に処方箋を反復利用できるリフィル処方箋の仕組み」として導入される。

医師との連携について首藤会長は、プレアボイドやトレーシングレポートなどの取り組みを通じ、「いま一番重要なのは連携だが、かなり以前と変わって、力もついてきている」との見解を表明。リフィル処方箋が導入されることで、「今後も力をつけられる。力をつけられれば、本来の意味でのリフィルを実現できるのではないか。まだ入り口に立ったばかりだが、将来、薬局薬剤師にとっては開かれた道なのではないか」と強調した。

◎山中常務理事 リフィルの普及で「フォローアップが浸透」 職能拡大のチャンスに


山中修常務理事(ファーマシィ)は、「これまでの処方箋は直前の医師の診断があり、処方箋が発行されて薬局に持ち込まれていた」と説明。これに対し、リフィル処方箋は、「直前の診断がなく持ち込まれる。常に責任が重くなった。逆に言えば、薬局・薬剤師の職能が一気に拡大するチャンスだ」との見方を示した。

そのうえで、医師の直前の診断がないことで覚える不安感を薬局薬剤師が払しょくするために、患者のフォローアップの重要性が高まることを指摘。「リフィルがうまく成功すればフォローアップもそれにつれて増えていくと思うし、薬局薬剤師の存在感が出てくる。非常に普及することを期待している。薬局薬剤師としてはリフィルが成功するように取り組んでいかなければならない」と強調した。

◎22年度改定は「努力が認められる改定」 規模に応じた基本料など「改めて遺憾」

22年度調剤報酬改定全体について首藤会長は、「納得はしていないが、ある程度は満足している」との所感を述べた。超大手調剤グループとドラッグストアが対象となる調剤基本料が新設される。NPhAは規模ではなく、薬局機能に応じた評価の必要性を訴えており、「改めて遺憾の意を表する」と述べた。一方で、調剤基本料の影響が直撃する数社の大手調剤チェーンとドラッグストアを除けば、「会員企業の多くにとって、努力をすればプラス改定に持っていける仕組みが作られた。努力が認められる改定だ」と表明した。「企業規模や店舗数で点数が変わってくる、それに紐づいた地域支援体制加算については納得できないが、会員企業を見渡してみると、ある程度満足できる改定ではないか」と述べた。

22年度調剤報酬改定で、調剤基本料として、「同一グループの保険薬局における処方箋の受付回数の合計が月に40万 回を超える又は同一グループの店舗数が 300 以上である薬局について、特定の保険医療機関からの処方箋受付割合が 85 %以下の場合」の評価が新設された(調剤基本料3-ハ)。対象は数社の大手調剤チェーンとドラッグストアとなる見通し。ただ、調剤基本料1を算定できなくなることから、対象企業にとっては「大きなマイナスになるとみている。(プラスにする)努力は及ばないと思う」との見方を表明。「叩かれて強くなっていく、薬局の機能は、あげていけると思う。そういった改定ではないか」と述べた。

地域支援体制加算については、「一定の改善がなされたとはいえ、調剤基本料の種別によって加算の要件・加算額が異なっており、調剤基本料1以外の薬局ではより高い体制・実績を求められているにもかかわらず、加算額が小さいという構造はむしろ顕著になっている」と指摘した。

今回の調剤基本料の新設は、医療経済実態調査での損益率に基づいている。首藤会長は、「薬局の損益率に着目して改定を行うのであれば、薬局全体の効率化を促すような改定を行うべきであり、機能を高め、かつ、効率化を実現したセクターにペナルティを課すような改定は適当ではない」と指摘。「今回の改定のように薬局をセクターに分けた評価を続けるのであれば、チェーン薬局等、評価の切り下げを受けるセクターを代表する委員を調剤報酬に係る調査・検討に参画させるべき」との見解を表明した。「医療経済実態調査の分析等、協会としての調査研究能力の向上にも取り組んでいきたい」とも述べた。
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