リアルワールドエビデンスの評価方法確立へ EMAが新組織設立
公開日時 2022/02/18 04:48
欧州医薬品庁(EMA)は、リアルワールドエビデンス(RWE)のデータの収集や利活用の管理や評価方法の開発などを行う新組織を設立する。EU諸国を通じ、RWEのネットワークを構築、管理することが目的。将来的には、規制当局などの依頼によって、RWEの科学的研究を行うことも視野に入れている。2月9日、発表した。
新組織は、「データ分析・リアルワールド調査ネットワーク調整センター」(the Coordination Center for the Data Analysis and Real World Interrogation Network: DARWIN EU)。
医薬品やワクチンのライフサイクル全体での使用状況や安全性、有効性について妥当性と信頼性を兼ね備えたRWEにEMAなどがアクセスできることをビジョンに掲げる。RWEの利活用で、効率的な臨床試験の実施などで、革新的な新薬の患者へのアクセスを早める。上市後も、安全性や有効性などのシグナルをいち早く受け取ることも可能になる。このため、医薬品開発や承認、市販後調査などがRWEに基づいて意思決定されるようになることで、患者や医療従事者、医療技術評価機関や医薬品業界に至るまでの幅広い関係者がベネフィットを得られるとされている。
DARWIN EUのインフラ整備や運営については、オランダのエラスムス大医療センターロッテルダムが協力する。エラスムス大医療センターは、医薬品評価について科学的研究を行い、研究は観察研究として公表される予定。22年内には最初のパイロットスタディーを実施する予定。EMAは、同センターを監督する。