諮問会議・新浪民間議員 「問題なのは薬価を医療費削減のツールにしている」 議事要旨公開で明らかに
公開日時 2022/04/19 04:50
政府の経済財政諮問会議で民間議員を務める新浪剛史氏(サントリーホールディングス代表取締役社長)が4月13日の諮問会議で、「創薬について、大変問題なのは、薬価をどうも医療費削減のツールにしているきらいがあること」との認識を示したことがわかった。内閣府が4月18日公表した議事要旨から明らかになった。新浪民間議員は、「Howについては具体論がこれから重要なので、経済・財政一体 改革委員会にて骨太に向けて議論をしっかりさせていただきたい」と述べ、議論を加速させる考えを示した。
コロナ禍で、新型コロナワクチン・治療薬の開発が欧米に比べて遅れるなど、日本の創薬力の地盤沈下が指摘されている。13日の諮問会議では、日本の医薬品産業が欧米に比べて、収益力が低く、国際貿易の面でも、医薬品の輸入超過拡大が続いていると指摘している。
新浪民間議員は、「今回のコロナでわかったことは、イノベーティブな薬をしっかりと作れる国になることが安全保障上重要であるということであり、ここを再認識していただき、イノベーション、そして、安全保障という面からも創薬をもう一度とらまえるべき」と主張した。
◎十倉民間議員 創薬へのインセンティブ強化「薬価制度、補助金・出資金で対応必要」
十倉雅和民間議員(住友化学代表取締役会長)は、「創薬へのインセンティブを強化するべく、薬価制度の在り方、AMED等の補助金、出資金を通じてしっかり対応していく必要があるかと考える」との考えを表明。「同時に、医療介護分野のデータ整備や利活用の充実を図るべく、DXによる生産性の向上も速やかに実現していくことが求められると思う」とも述べた。