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日本ケミファ・21年度決算 売上14%増 自社開発・製造の後発品など好調

公開日時 2022/05/16 04:49
日本ケミファは5月13日、2022年3月期(21年度)の売上が325億600万円だったと発表した。新規の会計基準(=収益認識に関する会計基準)を適用したため、増減率は非開示。ただ、旧会計基準同士でみると、21年度売上は約360億円で、前年度から約14%の増収となった。営業利益は8億2500万円で、前年度との単純比較で46%増だった。21年4月の薬価改定(約13%)や新型コロナによる受診控えの影響を受ける一方で、他社の品質問題に起因した後発品の代替需要に応えたほか、自社開発・自社グループ製造の後発品を中心に売上を伸ばし、好調な業績となった。

◎エスゾピクロン後発品は「高いシェアを維持」

自社開発・自社グループ製造の後発品として、最近では21年6月に上市した不眠症治療薬・エスゾピクロン錠「ケミファ」がある。同社は今回の決算発表の中で、エスゾピクロン錠「ケミファ」について、「安定供給の観点から、自社開発・自社グループ製造品であることが評価され、市場における高いシェアを維持している」と明らかにしている。

◎製品ごとの製造委受託の仕組み必要

同社の安本昌秀取締役執行役員(経営企画部長兼ヘルスケア部長)は業界誌・紙を対象とした決算説明会で、後発品の慢性的な供給不足の中で自社製造後発品のニーズが非常に高いとの認識を示した上で、「自社製造であればある程度、無理をして操業すれば市場ニーズに応えられる。エスゾピクロン『ケミファ』はこの点を市場からも評価いただき、高いシェアとなった」と説明した。具体的な同剤の市場シェアや売上は非開示。

同社ではこれまで、製造原価の観点からも自社開発・自社グループ製造品を中心に品揃えをしてきたが、安本氏は「自社製造品だけでは全ての市場ニーズに応えきれていない」とも指摘した。“A製品は他社で、B製品は日本ケミファが製造する”といったメーカー間の製造委受託の仕組みを検討する必要があるとし、既に他社とディスカッションを始めたことも明らかにした。安本氏は、「業界全体の大きな課題」とした上で、「製造委受託のような工夫によって操業を上げ、需要に応える必要がある」と訴えた。

◎22年度予想は増収減益 薬価改定影響や原材料仕入れ価格の上昇などで

22年度は売上350億円(前年度比7.7%増)、営業利益3億円(同63.7%減)、親会社帰属純利益は3億円(同57.2%減)――と予想した。自社開発・製造の後発品や22年度上市予定の新製品、臨床検査薬を中心に増収を目指す一方で、22年4月の薬価改定影響(約10%)や研究開発費の増加、原材料仕入れ価格の上昇、エネルギー価格の上昇などによるコスト増を一定程度見込み、減益予想を立てた。

【21年度連結業績(前年同期比) 22年度予想(前年同期比)】
売上高 325億600万円(-) 350億円(7.7%増)
営業利益 8億2500万円(-) 3億円(63.7%減)
親会社帰属純利益 7億円(-) 3億円(57.2%減)
*21年度の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用するため、連結業績予想は当該会計基準等を適用した後の金額となっており、対前期増減率は記載していない。
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