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米FDA 初のGIP、GLP-1作動薬Mounjaroを承認

公開日時 2022/05/30 04:50
米食品医薬品局(FDA)は5月13日、米イーライリリー社の世界初のGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)受容体作動薬およびGLP-1(グルカゴン様ペプチド1)作動薬のMounjaro(チルゼパチド)について成人における2型糖尿病における食事療法および運動の補助療法としての血糖改善の適応で承認した。Mounjaroは、世界初かつ唯一のFDA承認GIP受容体作動薬およびGLP-1受容体作動薬となった。

GLP-1及びGIPは、ともに血糖管理に関与するインクレチンホルモンだが、Mounjaroは、血糖管理改善を導くGLP-1受容体およびGIP受容体双方に作用する。同剤は、週1回皮下注射剤である。リリー社によると剤形は、2.5mg、5mg、7.5mg、10mg、12.5mgおよび15mgの6種類用意され、血糖目標によって用量調整が可能。

FDAは同剤について優先審査の指定を行った。同剤の副作用は、悪心、嘔吐、下痢、食欲不振、便秘、上部腹部不快感および腹痛などが報告されている。FDA医薬品評価研究センター(CDER)のPatrick Archdeacon 糖尿病・脂質障害および肥満部長は、「多数の患者が血糖値の目標に到達しようと苦難の経験をされているなかで、本日のMounjaroの承認は、2型糖尿病治療における大きな前進である」と同剤登場を歓迎した。

イーライリリー社のMike Masonリリー糖尿病部門長は、「リリーは、決して現在のアウトカムに満足していない2型糖尿病とともに生きる人々に100年にもおよぶ治療を進歩させてきたヘリテッジ(伝統)を持っている。我々は、2型糖尿病と生きる3000万人以上の米国人の半数が彼らの目標とする血糖値に到達していないことを知って不満足である」と強調。「我々は、ほぼ10年ぶりに導入された新規2型糖尿病薬を代表するMounjaroの導入にわくわくし、かつ、これは糖尿病コミュニティに画期的新薬をもたらす我々の使命を具体化するものだ」とコメントした。同社によると同剤は米国内では数週間以内に発売される予定。

(訂正)下線部の表記に誤りがありました。修正します。(修正済・22年6月2日15時50分)
 
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