NCC東病院に患者サポートホテルを7月開業 患者同意あればホテル・病院間で患者情報の共有も可能
公開日時 2022/06/21 04:50
国立がん研究センター(NCC)、三井不動産、三井不動産ホテルマネジメントは6月20日、NCC東病院の敷地内に、がん患者をサポートするホテル「三井ガーデンホテル柏の葉パークサイド」を7月1日に開業すると発表した。ケアスタッフによる体調不良時の緊急対応や、病院外来拡張エリアの設置、ウエアラブルデバイスの導入による患者・家族の24時間サポートを実現する。さらに、医療ツーリズムへの対応や患者に配慮した食事メニュー、配送ロボット「RICE」を用いた客室へのテイクアウトメニュー配送サービスの試験運用も実施する。
同ホテルは、患者本人の同意のもと、ホテルと病院間で患者情報を共有するコミュニケーションツールを用いた情報共有なども手掛ける。NTTデータの「Health Data Bank for Medical」を用いたバイタルデータ管理機能や、食事管理機能などのデジタルサービスを提供する。これらのサービスは宿泊後に自宅でも継続して使用できるため、日常的に自身の体調管理に生かすことができる。さらにNCC東病院の医療従事者が「Health Data Bank for Medical」を通じてデータを閲覧することも可能となり、がん患者の体調を把握する参考情報として活用する方針だ。NCC東病院としては、今後もデータの利活用を進める方針で、外部企業との連携をさらに推進するほか、将来的には在宅診療の実証にも活用したい考えだ。
◎大津・NCC東病院長「ホテルを新たな診療モデルとして活用。最先端のサービス提供を目指す」
国立がん研究センター東病院の大津敦病院長は、「NCC東病院の敷地内に同ホテルが開業することで、がん患者とその家族の通院時の負担軽減や遠方の方の受診の利便性向上が期待できる」と強調。「米国・ボストンなどでは、病院やアカデミア、製薬企業研究施設などがクラスターを形成し、最先端のがん医療や革新的な医療技術・サービスを創出している」と述べ、「同ホテルを新たな診療モデルとしても活用し、すべてのがん患者さんに最先端のがん治療やヘルスケアサービスの提供を目指したい」と意欲を語った。