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21年のグローバル製品売上 1位はヒュミラの320億ドル 100億ドル以上は9製品 IQVIA

公開日時 2022/07/01 04:52
IQVIAは6月30日、2021年のグローバル製品売上の1位は自己免疫疾患治療薬・ヒュミラ(一般名:アダリムマブ)だったと発表した。売上は320億5500万ドル(前年比10.4%増)。2位は抗凝固薬・エリキュース(アピキサバン)、3位はがん免疫療法薬・キイトルーダ(ペムブロリズマブ)で、売上トップ3製品の順位は、19年から3年連続で変わらなかった。売上100億ドル以上製品は9製品。売上上位20製品のうち増収額1位は糖尿病治療薬・オゼンピック(セマグルチド)で、1年間に56億ドル伸ばした。

文末の「関連ファイル」に売上上位20製品と、医薬品売上上位20社の資料を掲載しました(会員のみダウンロードできます。14日間の無料トライアルはこちら)。

◎2位エリキュースは212億ドル、3位キイトルーダは195億ドル

21年の世界医薬品売上は1兆3119億ドルで、前年から8.2%成長した。21年の売上上位10製品をみると、2位のエリキュースは212億8900万ドル(21.9%増)で、1位のヒュミラと100億ドル以上の差があった。3位のキイトルーダは195億7100万ドル(24.3%増)、4位の乾癬・炎症性腸疾患治療薬・ステラーラ(ウステキヌマブ)は144億200万ドル(27.6%増)、5位の糖尿病治療薬・トルリシティ(デュラグルチド)は136億9300万ドル(38.7%増)、6位の抗凝固薬・ザレルト(リバロキサバン)は127億6800万ドル(8.6%増)、7位のオゼンピックは119億4500万ドル(87.6%増)、8位の抗HIV薬・ビクタルビ(ビクテグラビルナトリウム/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミド)は112億6700万ドル(20.8%増)、9位のインスリン製剤・ランタス(インスリングラルギン)は107億6400万ドル(4.2%増)、10位の糖尿病・慢性心不全治療薬・ジャディアンス(エンパグリフロジン)は97億5400万ドル(37.8%増)――だった。

◎新型コロナワクチン・コミナティが実質1位か

売上高ランキングには、政府一括購入などで一般流通していない新型コロナワクチン・治療薬は、同社の売上ランキングには含まれない。ミクス編集部の調べによると、ファイザー/ビオンテックの新型コロナワクチン・コミナティの21年売上は、▽ファイザー公表分が367億ドル(アライアンス売上含む)、▽ビオンテック公表分が35億ドル(同社テリトリーのドイツ及びトルコの売上、1ユーロ=1.18ドルで算出)――で、実質的にはコミナティが製品売上1位といえそうだ。モデルナの新型コロナワクチン・スパイクバックスの21年売上は176億ドルだった(新型コロナワクチン・治療薬売上の詳細はミクス22年7月号に掲載

◎成長率上位5製品はオゼンピック、デュピクセント、トルリシティ、ジャディアンス、ステラーラ

IQVIAの売上上位20製品のうち成長率が高かった上位5製品は、トップからオゼンピックの87.6%増、アトピー性皮膚炎・喘息治療薬・デュピクセント(デュピルマブ)の60.9%増、トルリシティの38.7%増、ジャディアンスの37.8%増、ステラーラの27.6%増――となった。

◎年間増収額 オゼンピック56億ドル増 キイトルーダ40億ドル増

金額ベースで増収額が大きかった上位5製品をみても、オゼンピックが56億ドル伸ばして増収額1位。次いで、キイトルーダの40億ドル増、エリキュースの39億ドル増、トルリシティの38億ドル増、ステラーラの32億ドル増――となった。オゼンピックは前年16位から今回7位となり、これは20社中で最大のランクアップとなる。

製品売上ランキング1位のヒュミラの増収額は31億ドル(6位)で、前年売上289億ドルからさらに30億ドル以上も積み増した。

今回20位圏外となったのは加齢黄斑変性症治療薬・アイリーア(アフリベルセプト)と自己免疫疾患治療薬・レミケード(インフリキシマブ)の2製品で、新たにデュピクセントと多発性硬化症治療薬・オクレバス(オクレリズマブ)がランクインした。

なお、IQVIA公表の製品売上は、世界で異なる名称や企業で流通する製品を同一にグルーピングして集計。国・地域によってはOTCの売上も含んでいる。売上は工場出荷価格ベースで、IQVIAの定めた係数をかけて算出している。日本の場合、薬価に係数をかけたものとなる。売上は四半期ごとの為替影響が反映され、伸び率は為替影響が除外されている。

◎企業別医薬品売上ランキング 1位はJ&J 2位はアッヴィ 3位はノバルティス

21年企業別の医薬品売上ランキングで1位となったのはジョンソン&ジョンソン(J&J)で、売上は675億8000万ドル(前年2位)だった。僅差の2位はアッヴィの670億8500万ドル(前年1位)で、前年の1位と2位が入れ替わった。J&Jは主力のステラーラが好調だったほか、OTC薬の貢献や、20年7月に日本でアクテリオンが統合されるなどし、これらの結果1位になったとみられる。アッヴィは売上の48%をヒュミラが占める。

◎内資系企業 最高位は武田薬品の15位

3位はノバルティスの585億5400万ドル(前年3位)、4位はブリストル・マイヤーズ スクイブの487億2200万ドル(前年7位)、5位はロシュの483億5000万ドル(前年4位)――だった。内資系企業は15位の武田薬品が最高位で、売上は297億2000万ドル(前年15位)だった。武田薬品は17年20位、18年13位、19年以降は15位と推移している。

ファイザーは20年のヴィアトリス設立・分社化により、21年売上は397億6700万ドルで、11位(前年9位)だった。ただ、コミナティの売上367億ドルを単純合算すると同社の売上は750億ドルを超える。ファイザーの決算資料でも21年売上は812億ドルだったとしており、実質的にはファイザーが企業別ランキングの1位といえそうだ。

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