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米NIH ニパウイルスワクチンの臨床第1相試験を開始 モデルナと共同開発のmRNAワクチン

公開日時 2022/07/20 04:49
米国立衛生研究所(NIH)傘下の国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)は7月11日、NIAIDワクチン研究所(NIAIDVRC)と米モデルナが共同開発したニパ(Nipah)ウイルス感染症ワクチン(mRNA-1215)の臨床第1相試験を開始したと発表した。現在、ニパウイルスに対するワクチン、治療薬ともにない。同ワクチンは、mRNAワクチン。

ニパウイルス感染症は、パラミクソウイルスの1種であるニパウイルスによるもので、ほとんどは動物からヒトに感染するが、ヒトからヒトへの感染も起こりうる人獣共通感染症。
自然宿主は、オオコウモリ。1998年にマレーシアとシンガポールで発生し、ヒトでは265例が確認され105例が死亡した。当時、ブタでの感染が拡大し、当地の養豚産業に大きな損害を与えた。1999年以降、バングラデシュとインドを中心に散発的に東南アジアで発生している。感染すると、呼吸器感染症候群から昏睡、死亡へと至る脳炎(脳腫脹)へと急速に進展する。死亡率は、約40%から75%と高い。

mRNA-1215の臨床第1相試験は、18歳から60歳までの健常な成人40例を対象に、用量を漸増させ、安全性、忍容性および免疫応答を評価する国内では、ニパウイルス感染症はまだ発生していないが、2003年に四類感染症に指定されている。

NIAIDのAnthony S Fauci所長は「ニパウイルスは、比較的容易に変異し、広範な動物に疾患を起こし、ヒトからヒトへの感染も起こる。致死率が高く、重大なパンデミックの脅威となる」として、ワクチンの必要性の高さを強調した。

モデルナのStephene Bancel CEOは、NIAIDと新興感染症など、25年までに15剤のワクチンの共同開発を予定していることを紹介。「世界市民の健康を守るために、ニパウイルスのパンデミックの可能性を阻止するという望みを持って、今回のパートナーシップに我々のmRNAについての専門知識をぜひ生かしたい」とコメントした。15剤のワクチン開発計画の中には、蚊が媒介するジカウイルスによるジカウイルス感染症ワクチン(mRNA-1893)も含まれており、現在、臨床第2相試験を実施中。
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