【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

大塚HD・樋口社長 レキサルティのアルツハイマー関連適応に期待「社会課題の解決につながるイノベーティブな成果」

公開日時 2022/08/01 04:49
大塚ホールディングスの樋口達夫代表取締役社長兼CEOは7月29日、2022年12月期第2四半期決算会見に臨み、急激な円安などで「想定よりもはるかに厳しい経営環境が続く状況下でも、継続事業ベースにおいては中期経営計画の業績目標に沿って順調に進捗している」と述べた。事業環境が不透明さを増すなかで、トータルヘルスケア企業としての強みを強調。中期経営計画でも“新たな価値創造”を軸に据えるなかで、レキサルティがアルツハイマー型認知症に伴うアジテーションを対象とした第3相臨床試験で主要評価項目を達成したことなど成果を出し始めていることを説明。「新しい取り組みには困難もたくさんあるものの、挑戦が大塚だからできること、大塚にしかできないイノベーションに対する取り組みだ」と自信をみせた。

◎樋口社長「非常に難しい経営の舵取りが続いている」 投資が実を結び“新たな価値創造”へ

22年は、第3次中期経営計画の2年目に当たる。樋口社長は、「20年度からの長期にわたるCOVID-19の感染拡大、急激に進行した円安や地政学的リスクなど、多岐にわたる外部環境の変化により、事業への影響が起こり、非常に難しい経営の舵取りが続いている」との見方を表明した。そのうえで、これまでの投資が実を結びつつあり、中計に掲げた“新たな価値創造”を実現しつつあることを説明した。

◎アルツハイマーのアジテーション「社会問題の解決に一歩前進」 介護者の負担大きく

その一つとして、レキサルティがアルツハイマー型認知症に伴うアジテーションを対象とした第3相臨床試験で主要評価項目を達成したことを紹介した。樋口社長は、「忍容性、安全性についても良好な結果が得られたと考えている」と述べた。

樋口社長は、「アジテーション症状を持つ介護者の負担は大きく、睡眠障害、不安、うつ病などを発症することも多く、は大きな社会問題の一つでありその解決に向けて一歩前進することができた」と強調した。試験を終えた米国では29年にアルツハイマーの患者数は370万人と推計され、このうち7割以上(280万人)でアジテーションがあると説明。現在は治療薬も存在しないことから、「患者数が大きく増加し、満たされていないアンメットメディカルニーズへの取り組みだと捉えている。大きな社会課題への対応であり、市場ポテンシャルは高いと考えている」と述べた。そのうえで、「当局と連携し、早期に製品価値最大化する戦略を着実に遂行する」と意欲をみせた。

◎超音波腎デナベーションシステム 低侵襲デバイス治療が高血圧の新たな選択肢に

超音波腎デナベーションシステムが軽~中等度の高血圧患者を対象とした米国ピボタル試験で主要評価項目を達成したことも紹介した。米国では高血圧患者数が約6400万人いるが、薬物治療でコントロールできない患者が約3割に上ると説明。「顕在化しているが、満たされていないニーズがある。健康寿命の延伸を実現するために脳卒中や心筋梗塞を克服することは重要な社会課題だ。高血圧の患者さんに低侵襲デバイス治療というイノベーションを持った新しい選択肢を提供することが、この潜在的に解決できていないアンメットメディカルニーズへの取り組みの一つだと考えている」と強調した。「新しいソリューションは、治療薬、減塩食、サプリメントなどと合わせて健康寿命を延ばすという、社会的問題に対するトータルヘルスケア企業としての活動の一環だ」とも述べた。

◎22年第2四半期は売上高13.3%増の8143億700万円 グローバル4製品伸長も減収に

同社の2022年12月期第2四半期決算は、売上高8143億700万円で前年同期比13.3%増となったが、営業利益は39.6%減の671億4600万円で、増収減益となった。医療関連事業は前年同期比12.0%増の5293億円だった。グローバル4製品(持続性抗精神病薬エビリファイメンテナ、抗精神病薬レキサルティ、V2-受容体拮抗薬サムスカ/ジンアーク、抗がん剤ロンサーフ)が23.4%増の2912億円と計画を上回る進捗をみせたことが貢献した。一方で、為替影響や事業再構築の影響が響き、増収減益となった。国内医療用医薬品売上高は、前年同期比4.0%減の1937億円。アブラキサンの限定出荷に加え、アロキシの後発品が発売されたこと、薬価改定の影響が響いた。


【連結業績(前年同期比) 22年予想】
売上高 8143億700万円(13.3%増) 1兆6700億円(11.5%増)
営業利益  671億4600万円(39.6%減) 1520億円(1.6%減)
親会社帰属の純利益 697億5300万円(23.7%減) 1350億円(7.6%増)

【グローバル製品売上(前年同期実績) 21年予想、億円】
エビリファイメンテナ 763(636)1580
レキサルティ 756(580)1560
サムスカ 482(437)800
ジンアーク 641(481)1315
ロンサーフ 269(227)555
*サムスカに日本のADPKD適応の売上含む。

【主要製品の国内売上(前年同期実績) 21年予想、億円】
エビリファイメンテナ 53(49)110
レキサルティ 64(60)133
サムスカ 381(344)620
ロンサーフ 35(34)70
ニュープロ・パッチ 48(56)95
アブラキサン 79(152)180
アロキシ 24(76)30
ムコスタ点眼液 27(26)55
ビラノア 71(58)135
ミケルナ 29(24)60
アイクルシグ 31(24)60
ニューデクスタ 124(119)270
エビリファイ 39(40)75
プレタール 11(12)20
ムコスタ 12(12)25
ティーエスワン 34(29)65
臨床栄養 432(414)935
プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
関連ファイル

関連するファイルはありません。

【MixOnline】キーワードバナー
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(1)

1 2 3 4 5
悪い 良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事

一緒に読みたい関連トピックス

記事はありません。
ボタン追加
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー