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小野薬品・相良社長 フォシーガ特許満了時期に言及 2型糖尿病は25年4月 心不全やCKDは28年5月

公開日時 2022/11/01 04:49
小野薬品の相良暁社長は10月31日の2022年度第2四半期決算会見で、SGLT2阻害薬・フォシーガの適応症ごとの特許満了時期に言及し、2型糖尿病の適応は2025年4月、1型糖尿病、慢性心不全、慢性腎臓病(CKD)はいずれも28年5月に満了するとの認識を示した。相良社長は、フォシーガの後発品が25年12月に登場すると予想したものの、「2型糖尿病だけの虫食い効能になる」と強調した。なお、CKDの特許満了時期は「まだ最終決定ではない」とし、「1型糖尿病や慢性心不全の経緯を踏まえると、慢性腎臓病も28年5月まで伸びると思っている」とも付け加えた。

同社は、22年度第2四半期も中間期として過去最高の売上、各利益を達成した。ただ、業績のピークは25~26年度との見方が出ている。これは国内売上が年間200億円強あるDPP-4阻害薬・グラクティブが25年秋~26年に特許満了を迎えるほか、▽米メルクからの抗PD-1抗体・キイトルーダに係るロイヤルティ収入、▽スイス・ロシュからの抗PD-L1抗体・テセントリクに係るロイヤルティ収入――がいずれも26年末で終了する。加えて、CKD適応などで急成長しているフォシーガの特許切れ・後発品参入が25年度との観測もあり、これら4製品の特許切れ・ロイヤルティ収入終了が25~26年度に集中すると見られていることが理由となる。こういった背景もあって、フォシーガのCKD適応などの特許満了時期が注目されていた。

相良社長はこの日、フォシーガの適応ごとの特許満了時期に触れながら、「フォシーガのライフサイクルが(28年5月まで)少し伸びると思っている」と語った。

◎“オプジーボクリフ” 克服のカギは複数製品による海外展開

最主力品の抗PD-1抗体・オプジーボは売上1500億円、ロイヤルティ収入として1000億円が見込まれるほどの超大型品になっているが、同剤の特許満了は31年とされる。相良社長は決算会見での質疑で、将来のオプジーボクリフへの対応について、「オプジーボはとても大きなウェートを占める製品で、これにとって代わる製品を生み出すことは極めて難しい。ひとつの製品でカバーするのは難しい」と語った。そして、「グローバルで新薬の承認を取って売るということが、オプジーボのクリフを埋めて、成長するということにつながる」と述べ、複数の新薬群を米国や欧州で上市してオプジーボのクリフ克服につなげたい意向を示した。

同社は現在、米国で6プロジェクト、欧州で3プロジェクト開発しており、米国で最も開発が進んでいるのは抗がん剤・チラブルチニブ塩酸塩(国内製品名:ベレキシブル)となっている。相良社長は「海外の開発品の全部が成功すればいいが、ここからいくつかの製品がうまれる絵を描いている」と述べた。

◎22年度上期 売上、各利益とも過去最高 オプジーボやフォシーガ好調 円安も寄与

同社の22年度上期の連結業績は、売上、各利益とも、中間期として過去最高を更新した。売上2167億円(前年同期比24.5%増)、営業利益802億円(38.0%増)、親会社帰属純利益623億円(34.7%増)だった。主力のオプジーボやフォシーガが2ケタ成長して好調なうえ、円安によってロイヤルティ収入が110億円以上増加したことも業績に寄与した。

具体的には、オプジーボの22年度上期売上は699億円(24.6%増)だった。同剤は日本で11がん種23レジメンを持つ。同社によると、現在、胃がん1次治療での新規患者への処方が伸びており、同剤の売上の中心が胃がん領域になる可能性があるとしている。食道がんの1次治療や術後補助療法での使用も伸びていると言い、特に消化器系のがんで同剤を伸長させることで通期予想の1550億円の達成を目指す。

フォシーガの22年度上期売上は264億円(68.8%増)だった。適応別の売上は、糖尿病が160億円程度、心不全が40億円程度、CKDが60億円程度―ーで、いずれも増収だという。これらの疾患が合併する症例も多く、同社は「3領域の相乗効果で、(売上を)押し上げている」としている。通期予想は470億円で、上期ですでに56%進捗しているが、期初の予想を据え置いた。

22年度上期の製品商品売上は1449億円で、オプジーボとフォシーガで6割以上を占める。

22年度上期のロイヤルティ・その他収入は718億円だった。このうちブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)からのオプジーボに係るロイヤルティ収入は421億円(前年同期比82億円増)、メルクからのキイトルーダに係るロイヤルティ収入は214億円(同72億円増)――だった。円安効果が大きく、BMSからのロイヤルティ収入の増加分82億円のうち75億円が為替による増加分、メルクからの増加分72億円のうち37億円が為替による増加分で、両剤からのロイヤルティの円安効果は計110億円を超えた。

◎通期予想を上方修正 円安を考慮

同社はこの日、現在の為替レートを考慮して、連結業績予想を上方修正した。修正後の売上予想は4400億円(期初予想から150億円増)。売上原価や研究開発費などの費用は数十億円増加するとしたが、営業利益は売上総利益の増加で1490億円(同40億円増)と予想した。売上の上方修正の大部分は、円安によるロイヤルティ収入の増加によるもののため、国内製品の売上予想はすべて据え置いた。

同社の場合、円安が1円進むと、売上は11億円増加する一方で、研究開発費などの費用は3億円余分にかかり、差し引き営業利益に8億円のプラス効果がある。ただ、海外での臨床試験が増えるほど費用もかさむ。このため相良社長は、円安による業績影響の見通しについて、米欧での開発の進展も踏まえ、「今後よく見ていきたいと思っている」と慎重な姿勢を示した。

【22年度上期の業績(前年同期比) 22年度通期予想(前期比)】
売上高 2167億100円(24.5%増) 4400億円(21.8%増)←修正前4250億円
営業利益 802億7000万円(38.0%増) 1490億円(44.4%増)←修正前1450億円
親会社帰属純利益 623億3900万円(34.7%増) 1140億円(41.6%増)←修正前1100億円

【22年度上期の国内主要製品売上高(前年同期実績) 22年度通期予想、億円】
オプジーボ 699(561) 1550
フォシーガ 264(156) 470
オレンシア 125(112) 230
グラクティブ 117(127) 230
カイプロリス 44(42) 90
パーサヒブ 43(45) 80
ベレキシブル 41(29) 70
オンジェンティス 24(9) 50
オノアクト 21(23) 45
オパルモン 23(24) 35
ビラフトビ 16(14) 35
メクトビ 13(11) 25
オノンカプセル 12(18) 25
*仕切価ベース

ロイヤルティ・その他 718(549) 1500
*BMSからのオプジーボに係るロイヤルティ収入が20年度上期339億円、21年度上期421億円――、メルクからのキイトルーダに係るロイヤルティ収入が同142億円、214億円――がそれぞれ含まれる。
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