東和薬品 山形工場の増産体制構築で33品目の出荷調整解除 生産増強で「限定出荷解除も着実に進める」
公開日時 2022/11/22 04:51
東和薬品は11月24日から33品目の出荷調整を解除する。山形工場の増産体制を10月に構築したことで、同社が22年度中の目標に掲げた年間140億錠の生産体制が整ったことによるもの。きょう22日から医療機関など関係者に対して出荷調整解除に関する情報提供を開始する。現在出荷調整中の製品は、新たに限定出荷となる3製品を加えて278品目に及ぶが、同社は山形工場の増産体制の整備を受け、「限定出荷の解除も着実に進めていきたい」と強調した。
同社は、第5期中期経営計画「PROACTIVE Ⅱ」(2021~2023年)に、2023年10月までに山形工場に第三固形製剤棟を建設し、山形、岡山、大阪の3工場を合わせて、22年度中に年間140億錠の生産体制、24年度以降175億錠の生産能力を実現する計画を明記している。
同社の吉田逸郎社長は11月14日の2023年3月期(22年度)第2四半期決算会見で、山形工場第二固形製剤棟への設備投資を行った結果、同工場だけで年間生産錠数を45億錠から20億錠上乗せして65億錠を生産できる体制が整ったと強調した。ただ、「様々なバリデーションの手続きを行い、基準を満たす生産が行えるか確認できたのは9月から10月。これで(3工場あわせて)年間140億錠を生産する体制は構築できたが、今期は10月からの半期となるため10億錠ほどの増産となる」と説明している。今回の出荷調整の解除はこうした安定供給体制が整ったことによるもの。吉田社長はさらに、「山形工場の第三固形製剤棟についても現在建設に着手しており、23年9~10月に建屋が完成する。そこから引き渡しや設備の導入、バリデーションなどに半年から1年はかかる。24年末から25年にかけて年間175億錠の生産体制が完成する」と述べ、第5次中期経営計画に示した生産目標についても、「これで年間140億錠から175億錠に35億錠の増産が可能になる」と強調した。
◎「増産体制が整ったため、今後、市場が要望する製品を着実に作っていきたい」
東和薬品は33品目の出荷解除について本誌取材に対し、「増産体制が整ったため、今後、市場が要望する製品を着実に作っていきたい」とコメント。今後については、限定出荷を解除できる品目もでてくるが、全品目の解除にはなお時間がかかるとしているものの、「増産により、限定出荷の解除も着実に進めていきたい」と強調した。
【通常出荷となる33品目 うち厚労省出荷解除要請品目は(★)】
アシクロビル顆粒40%「トーワ」
アスピリン腸溶錠100mg
アマルエット配合錠4番「トーワ」 (★)
アムロジピン錠10mg「トーワ」 (★)
アムロジピン錠5mg「トーワ」 (★)
アメジニウムメチル硫酸塩錠10mg「トーワ」 (★)
アリピプラゾール散1%「トーワ」
イコサペント酸エチルカプセル300mg「トーワ」
エゼチミブOD錠10mg「トーワ」
エゼチミブ錠10mg「トーワ」 (★)
エチゾラム錠0.25mg「トーワ」 (★)
オランザピンOD錠5mg「トーワ」
ジエノゲストOD錠1mg「トーワ」 (★)
ジエノゲスト錠1mg「トーワ」 (★)
ジルムロ配合錠HD「トーワ」
シロスタゾールOD錠100mg「トーワ」
ゾピクロン錠7.5mg「トーワ」
ソリフェナシンコハク酸塩OD錠5mg「トーワ」
ゾルピデム酒石酸塩錠5mg「トーワ」
テルビナフィン塩酸塩クリーム1%「トーワ」
バルプロ酸ナトリウム徐放錠A100mg「トーワ」
ピタバスタチンCa・OD錠2mg「トーワ」 (★)
フィナステリド錠1mg「トーワ」
プラバスタチンNa錠10mg「トーワ」
フルオロウラシル注100mg「トーワ」
フルオロウラシル注250mg「トーワ」
プレガバリンOD錠150mg「トーワ」 (★)
プレドニゾロン錠5mg「トーワ」
ベラプロストNa錠40㎍「トーワ」
ミノドロン酸錠1mg「トーワ」
ミノドロン酸錠50mg「トーワ」
リセドロン酸Na錠2.5mg「トーワ」
ロスバスタチン錠10mg「トーワ」