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22年7~9月 新型コロナ治療薬の売上急伸 ベクルリーは一気に全体2位 ラゲブリオは2週間で61億円

公開日時 2022/11/24 04:52
IQVIAは11月22日、2022年第3四半期(7~9月)の国内医療用医薬品市場データ(薬価ベース)を発表し、新型コロナ治療薬の売上げが急伸したことがわかった。21年10月から一般流通を開始した新型コロナ治療薬・ベクルリーは今回、製品売上ランキングで一気に2位にランクイン。売上は395億5000万円だった。22年9月16日から一般流通を開始したラゲブリオは約2週間で売上61億300万円を記録した。新型コロナは8月後半に1日新規陽性者数が26万人を超えるなど感染拡大の「第7波」のピークを迎え、9月後半頃から今冬のインフルエンザとの同時期流行への警戒感が相次ぎ示された。今回の市場データには、「第7波」への対応と、「第8波」への備えが現れたとみられる。

文末の「関連ファイル」に、22年第3四半期の市場規模データや、売上上位10製品の売上推移及び伸び率の資料を掲載しました(有料会員のみダウンロードできます。14日間の無料トライアルはこちら)。

IQVIAの市場データは、医薬品卸と医療機関との間で発生する売上データがソースとなっている。このため、同データには政府一括購入対象の新型コロナのワクチンや治療薬は含まれない。公定薬価がつき、通常の流通が開始された時点から同データに反映される。

ベクルリーやラゲブリオの売上急拡大もあって、全身性抗ウイルス薬の市場規模は886億7300万円、前年同期比95.9%増とほぼ倍増した。新型コロナの検査試薬も大きく伸び、診断用検査試薬の市場規模は1457億2000万円、前年同期比100.1%増と倍増した。

◎売上ランク1位はオプジーボ 22年1~9月売上は計1111億円に

22年第3四半期の製品売上ランキングをみると、1位はがん免疫療法薬オプジーボで売上は404億8200万円(前年同期比34.1%増)だった。ミクスがIQVIAの四半期毎の市場データをもとにオプジーボの22年1~9月の売上を計算した結果、9カ月の売上が計1111億円と早くも1000億円の大台を突破したこともわかった。特に非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療と胃がん1次治療が成長ドライバーとなっている。

なお、オプジーボの製造販売元の小野薬品は、22年度に特例拡大再算定(市場拡大再算定の特例)が適用されることは「想定していない」としており、売上2000億円超となったどこかのタイミングで特例拡大再算定が適用される可能性があるとしている(記事はこちら

22年第3四半期の製品売上上位10製品は、1位オプジーボ、2位ベクルリー、3位はがん免疫療法薬キイトルーダ(売上325億3300万円、前年同期比10.1%増)、4位は抗凝固薬リクシアナ(299億6600万円、17.1%増)、5位は抗がん剤タグリッソ(274億6100万円、6.2%増)、6位は抗潰瘍薬タケキャブ(271億6800万円、1.4%減)、7位は水利尿薬サムスカ(221億4400万円、0.6%増)、8位は降圧剤アジルバ(219億2400万円、3.1%増)、9位は加齢黄斑変性症治療薬アイリーア(216億2800万円、0.6%増)、10位は抗がん剤アバスチン(211億8000万円、16.9%減)――だった。

22年4月の薬価改定の影響は、オプジーボとキイトルーダは新薬創出等加算が適用されて薬価が据え置かれたものの、21年8月1日付で市場拡大再算定類似品として11.5%の薬価引下げを受けており、今回は7月の1カ月分に改定影響が現れた格好。タケキャブは特例拡大再算定が適用されて15.8%引下げ、アバスチンは6.4%引下げられた。このほかの6製品は新薬創出等加算が適用され、改定率は0%だった。

◎上位10薬効 1位は抗腫瘍剤、2位は糖尿病治療剤と変わらず

売上上位10薬効をみると、1位の「抗腫瘍剤」は4429億円(1億円未満切捨て、前年同期比5.4%増)、2位の「糖尿病治療剤」は1666億円(5.7%増)で、この上位2薬効の順位は変わらなかった。

抗腫瘍剤市場では特にオプジーボ(34.1%増)、キイトルーダ(10.1%増)、タグリッソ(6.2%増)、イミフィンジ(16.3%増)、21年5月発売のダラキューロハイゴウ(151.1%増)の上位製品が売上を伸ばし、同市場の成長をけん引した。なお、抗腫瘍剤は16年第2四半期から上位10薬効の第1位であり続けている。

◎糖尿病治療剤 薬効内トップ製品 ジャヌビアに代わってフォシーガに

糖尿病治療剤市場では薬効内トップが交代。DPP-4阻害薬ジャヌビア(7.1%減)に代わってSGLT2阻害薬フォシーガ(67.1%増)がトップに立った。フォシーガの急拡大は慢性心不全と慢性腎臓病(CKD)の適応追加が主な理由とみられる。このほかSGLT2阻害薬ジャディアンス(34.1%増)、21年2月発売のGLP-1受容体作動薬リベルサス(663.3%増)なども売上げを伸ばした。

3位は診断用検査試薬で1457億円(100.1%増)だった。前年同期は8位。

◎免疫抑制剤 薬効内トップ製品がステラーラに交代

4位は免疫抑制剤で1408億円(5.4%増)だった。前年同期は3位。薬効内トップ製品が交代し、ヒュミラ(6.2%減)に代わってステラーラ(32.0%増)が1位となった。ステラーラを販売する田辺三菱製薬によると、同剤はクローン病での新患獲得1位で、TNFα製剤で効果が減弱した患者からの切替処方も獲得しているという。

5位以下は、5位は抗血栓生薬(1074億円、0.5%増、前年同期4位)、6位は全身性抗ウイルス剤(886億円、95.9%増、10位圏外)、7位は眼科用剤(811億円、3.1%減、6位)、8位は制酸剤、鼓腸及び潰瘍治療剤(798億円、9.7%減、5位)、9位はワクチン類(トキソイドを含む)(762億円、29.8%増、10位圏外)、10位はその他の治療を目的とする薬剤(678億円、4.8%増、10位圏外)――だった。

このうちワクチン類はインフルエンザワクチンの売上増が要因。「その他の治療を目的とする薬剤」は、薬効内トップがウイルソン病治療薬ノベルジン(ノーベルファーマ分、1.5%増)で、高リン血症改善薬リオナ(8.8%増)や20年5月発売の高カリウム血症改善薬ロケルマ(62.6%増)など「アンメットメディカルニーズ領域の薬剤が売り上げを伸ばした」(IQVIA)としている。

◎一時代築いた「レニン-アンジオテンシン系作用薬」は10位圏外 調査以来初

一方、IQVIAが05年第4四半期データを発表して以来、上位10薬効に名を連ねてきたARBなどで構成される「レニン-アンジオテンシン系作用薬」は今回、初めて10位圏外となった。約22年にわたり存在感を示し、一時代を築いたが、後発品の市場浸透により、売上ベースでは圏外となった。

◎市場規模2兆7615億円、4.6%増 「病院」「開業医」「薬局その他」の3市場ともプラス成長

22年第3四半期の市場規模は2兆7615億円(4.6%増)だった。市場別にみると、100床以上の病院市場は1兆2854億円(3.9%増)、100床未満の開業医市場は5374億円(8.2%増)、主に調剤薬局で構成する「薬局その他」市場は9386億円(3.6%増)――で、3市場ともプラス成長は22年第1四半期から3四半期連続となった。
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