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日医工 事業再生ADR手続き成立 取引金融機関15社が最大985億円の債務放棄 事業再生・骨子4項目明示

公開日時 2022/12/28 18:10
日医工は12月28日、事業再生ADR手続きに関する「第3回債権者会議」を開き、債権者である取引金融機関15社が同社の事業再生計画および債務免除を含む金融支援に合意したと発表した。現時点での債務免除の確定額は557億8465万1484円。ただし、確定していない米国のSagentグループ分を含めると最大985億円の債務免除を受ける。成立した事業再生計画は、富山工場の生産改善や不採算品の撤退など4項目の骨子を明示したもの。同社社長室は、「骨子には人員削減に関する記載や、工場売却について決定した事実は含まれていない」と説明している。

この日の債権者会議で成立した事業再生計画案は同社および同社とスポンサー契約したジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)が管理・運営する合同会社ジェイ・エス・ディーとの間で作成したもの。11月に開催された債権者会議で北國フィナンシャルホールディングスの連結子会社である北國銀行や富山銀行、北陸銀行など取引金融機関15社に提示していた。3回目の債権者会議で全社の合意を取り付けることができた。

◎事業再構築・骨子 人員削減の記載や工場売却について決定した事実は含まれず

成立した「事業再構築のための施策」(骨子)では、事業面の施策として、①富山工場の生産改善、②不採算品の撤退及びコストの削減による収益構造の改革、③遊休資産等の売却による財務基盤の強化、④スポンサーコンソーシアムによる品質保証・品質管理体制の強化支援及び医薬品の販売体制再構築支援等―掲げた。今回成立した骨子では、人員削減や工場売却については明示していない。なお、事業再生ADR手続に定める資産評定に関する評価替等の調整後純資産は、2022年3月末基準で約 728億円の基準上の実態債務超過と試算した。

◎26年3月期(計画3年目) 実態債務超過の解消を目指す

今回の事業再生ADR手続きの成立に伴い、JWPとメディパルホールディングスが約200億円を出資する。日医工は23年3月中に田村友一代表取締役社長が退任するほか、東京証券取引所の上場廃止も決定している。同社としては、今回のADR成立を受け、債権者による債務免除を含む金融支援や資本増強策などを行い、「2026年3月期(計画3年目)には、事業再生 ADR 手続に定める資産評定に関する基準上の実態債務超過が解消する」との見通しも明らかにした。

◎取引金融機関15社の債権放棄 現時点で557億8465万円 

なお、債務免除は債権者である取引金融機関15社で、現時点での総額は557億8465万円。今後はこれに加えて最大427億1534万8516円を加えた985億円の債務免除を受けることがあることも公表。同時に返済条件の変更に伴う弁済手続きの概要についても明示している。
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